カナダのコーチングやメンタリングのトレーニング開発・品質向上支援機関Peer Resources によると、現在、コーチ育成のためのトレーニングプログラムやカリキュラムを提供している機関や学校数は全世界で650にのぼります。(2015年10月時点:http://www.peer.ca/coachingschoolfs.html)同サイトに登録されていないコーチング提供機関もあります。日本においても多くのコーチ養成機関やコーチングファームがサービス提供しています。同じコーチングでも提供機関によりアプローチや強みが異なるため、自分の目的に合ったコーチやコーチングスクールを探すのは簡単ではありません。今回は、自分に合ったコーチング提供機関を探すために、コーチング関連サービスの違いや個人コーチ・法人コーチそれぞれの特徴やリスク、選び方をご紹介します。
1.コーチング関連サービスの違い
まず、コーチングに関連するサービスは大きく分けて2つあります。1つ目は、コーチをつける(コーチングを受ける)サービスです。コーチからの質問やフィードバックにより自己認識を高め、自身のパフォーマンス向上が期待できます。経営者や管理職であれば、組織を成長させ牽引するためにリーダーシップを身につけることがコーチをつける主目的となります。
2つ目は、コーチング学習のサービスです。コーチングを学ぶ目的は、コーチングスキルを身につけることです。コーチングスキルを身につけることにより、コーチングができるようになるだけでなく、自分自身に対するコーチング(セルフコーチング)もできるようになります。セルフコーチングの手法が身につくと自身を客観的に眺めることができるため、自身の感情や言動のセルフコントロールができるようになります。(ご参考:「コーチングの活用方法」)
自分のリーダーシップ向上や人材育成に活用するためにコーチングを学ぶ人も増えています。コーチングを学びながら同時信仰でコーチをつけると、より効果的にコーチングスキルの習得が期待できます。
では、自分の目的に合ったコーチング提供機関を選ぶにはどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。NLPコーチングやポジティブ心理学をベースにしたコーチングなど、コーチングにもさまざまなモデルがあります。それぞれに特徴や違いがあるため、目的や自分の性格に合ったものを選ぶことが重要です。(ご参考:「各コーチングモデルの概要と特徴」)会社によってはコーチングのトライアルセッションやコーチングスキルトレーニングの無料体験を提供しています。このようなサービスを活用し、自分の目的に沿ったサービスを選ぶようにしましょう。なお、コーチをつける場合は、コーチとの相性も見極めが必要です。経営者のコーチングに長けたコーチや医療者のコーチングに長けたコーチなど、コーチにも得意分野があります。また、コーチの性別により話のしやすさが影響する場合もあります。自分の好みや目的を事前に伝え、率直に相談するのが望ましいでしょう。
コーチングを学びたい方は、コーチング提供機関のカリキュラムにコーチングの実践が組み込まれていることがポイントです。コーチングは語学や自動車の運転などと同じように、知識を入れただけでは活用できません。コーチングを実践することによって習得でき、向上させることができます。そのため、座学だけでは知識の習得に留まります。部下にコーチングを実践したい方は、職場で部下にコーチングを行い、プロコーチと実践の振り返りをしたり、フィードバックを得たりすることでコーチングの実践力が身につきます。