管理職による1on1に意味はあるのか


働き方改革の次に社員のエンゲージメントを課題として挙げる経営者は多い。そのために制度やツールとともに管理職による1on1(1対1の面接)を導入しようとする企業が増えてきた。

確かに上司と部下が定期的に指示やレビュー以外のコミュニケーションを取ることは職場の活性化やお互いの円滑な業務遂行にあたり有効なことだと思われる。だが、キャリアやエンゲージメントを高める機能としての管理職の1on1は、育成スキルが不足している上司によってどれだけの効果が出ると言えるのだろうか。中には、自分は育成ができると思っている上司もいるかもしれないが、迎え入れる世代や個々人の状況によって志向は様々である。

実際にある企業で相談を受けたAさんは、大規模な会社の部長職にある。

部下の育成やキャリアのことに対して比較的面倒見がよく、これまでも多くの部下の相談に乗ってきた。昨今の働き方改革の中では、率先して残業を切り上げ帰るよう奨励してきた。一方で、経験できる仕事の内容や苦労する時間が減っていることに対して懸念を持ちつつ育成に対して工夫を重ねていた。

伸び悩む若手のBさんには特に頻繁に声をかけ、2週間に一度30分間の1on1面談を実施するようにしてきた。1on1では「Bさんは将来何になりたいの?」「それならこんな本がおすすめだよ」などとBさんの成長に必要だと思っていることを一生懸命考えた。