Real Coach Report vol.3「自分の北極星に進み続ける」

柱時計の電池一つで心は軽くなる

-コーチングを学ばれて、どんな体験をされたのでしょうか?
コーチングの構造はわかりやすいし、傾聴や承認などのスキルも理解しやすくて、これなら使えそうだなと思ってやり始めたのですが、そういった「道具」よりも大事なものがある、ということに気づきました。それが「ファウンデーション」で、私にとっては今まで全然出会ったことのない考え方、アプローチで。最初は何を学んでいるのか理解できなくて、講師に質問したら質問で返されるみたいな(笑)。意味がわからない、と最初は戸惑いました。でも、学んでいるときに起きてくる変化が、スキルを学んでいるときとは違うんですよね。「ファウンデーション」を学ぶクラスでは、「未完了(やろうと思っているけれどもやっていない、気がかりなこと)」を「完了」することがテーマでした。「そんなことわかっているけど、できないんじゃん!」なんて思っている中、講師から「一週間で出来る『未完了』を探しましょう」と言われました。そこで、そういえば家でずっと止まってしまっていた柱時計があったことを思い出しました。一週間あれば電池換えられるかな、そんな軽い気持ちで「私は電池換えます」と宣言したら「いつ換えるんですか?」と講師に言われて、「は!?こんなやり取りに何の意味があるのかな」と(笑)。そのときは仕事がすごく忙しくて、ほぼ終電で帰るような状況だったので、「平日は忙しくて無理だから、週末に換えます」と。そうしたら「週末のいつ換えるんですか?」と言われて、「えーどうでもいいじゃん!」みたいな(笑)。それで、「土曜日に電池買って日曜日の朝に電池換えます」って言ったんですよね。そしたら、翌日に自分の中で起こった変化がちょっと新鮮で。朝出かける時にパッと柱時計を見上げると、もちろん(まだ電池を換えていないので)止まっているんですよね。その時に「そうだ、週末に電池買って、日曜日の朝に電池換えるって言ったよな」と思うと、何だか気持ちがふっと心が軽くなったんです。それが何なのかを考えてみると、私はあの時計に何だか毎朝「どよん」となっていたことに気付いたんです。毎朝家を出る時に時計を見ると、「あ、また電池換えるの忘れた」ってどっかでやっぱり思っていて。それを抱えていたんだな、ということに気づいたんですよね。それが新鮮な驚きで。土曜日に電池を買った時も、「あ、私言ったことちゃんとやっているわ」と。とっても小さな自己効力感で、でもこんな小さなことに喜んでいる自分に気づいて。で、日曜日に電池を換えて動いている柱時計を見た時にも何だかすごい達成感。「私、ちゃんと言った通りにやってるじゃん!」と。そのエネルギーの上がり方がすごく新鮮でした。こんな小さなことでこんなに心が軽くなるなんて。ということは、こんなに小さいことで心が重くなっていたのかとも思いました。
仕事に関しては、絶対やるんです。期日のためにガンガンやるけど、でも家庭のことってついつい置きがちになって。「もう家庭のことに関してはなかったことにしましょう」みたくなっていた自分に気づき(笑)。でも案外その「澱」が自分を重くしていたんだなと気づいていって。仕事のことはやるけど家のことはできない自分、仕事人としてはちゃんとやっているけど奥さんとしては失格とか、自分の中のアンバランスさに気づいていって。かといって仕事に自信を持っているかというと自信がなくて。「私が言っても部下は全然動いてくれない、私はダメなんだ」とか全部自分を責めて、自分にダメ出しをしている。今でもそうなんですけど。でも、そういったトータルな自分と向き合っていかないといけないんだと気付いたのが「ファウンデーション」だったんですね。