今回は、国際コーチ連盟マスター認定コーチで、経営者へのエグゼクティブ・コーチとしても活躍されている寺田由美さんにお話を伺いました。
コーチングとの出会い
-最初にコーチングの門を叩かれたきっかけは何ですか?
一番のきっかけは、IT企業でマネジメントをしていたことですね。部下育成にものすごく悩んでいたのが根底にあります。1990年代の終わりから2000年代にかけての頃は女性のマネージャーもあんまりいなくて。自分がマネージャーになるとは、全くイメージできない時代でした。特に私がいたのはIT系の、設立15年くらいの企業で、「仕事はくるけど人は育っていない。どう部下を育てるか」という状況の中でマネージャーになることになったのです。社長や私の周りの男性マネージャーが自分の背中を見せて引っ張っていくタイプの人たちだったので、そうやって人を引っ張っていかなきゃいけないんだろうと思っていました。でも、男性と同じようにはできないし、私がそうしちゃったら反発もあるだろうと悩んでいて。女性だし、専門性の違う人たちを育成しなければいけないしで、まあ、「当たって砕けろ」でしたね、本当に(笑)。
色んな人との出会いの中で「コーチングというものがあるよ」と聞いて、これなら自分に出来そうだと思いました。周りの上司のやり方をみても「それはなあ・・・」と思うようなものだったのですが、コーチング的アプローチでは傾聴したり、承認したり、質問を投げかけて相手の考えを引き出して、その人の成長や行動に繋げたり。これならできると思ったので、やりたいと思いました。