Case vol.1 No.3 複十字病院 人材育成プロジェクト参加者の視点①


コミュニケーションの自己研鑽は一生のテーマ

鈴木:今振り返ると、最初の頃は自分が話したいことを喋っていて、誰に対しても同じ話し方しかしていませんでした。でも今は、「相手はこのタイプかな?」と意識して話すようになりました。まだ、相手の反応は変わっていないような感じがしますが(笑)。
後閑:私は人見知りで、面識のある人にしか心を開けず、「壁」を作ってしまっていたんです。ただ、職場では自分の立ち位置があるので「壁」を作ってばかりではスタッフもついてこないし、心を開かないといけないなと思い、努力するようになりました。「この人とは表面上のコミュニケーションになっているかな」と思う人をキーマンに選んだのですが、対話するためにアポイントをとろうとしても「この日はダメです」と3回くらい連続で断られ、くじけそうになりました(笑)。でもある日、トレーニングのテキストをまとめた資料を作ってキーマンに記入してもらったら、その後に変化がありました。これまでは、夜勤が一緒だったときに入院患者が来ると、目線が下に向いて「(患者を)取れません」と言われ、他の主任に受け入れをお願いするのが常でした。それが、2年一緒に働いて初めて「入院取りましょうか?」と言ってくれたんです。キーマンとの壁が、3枚だったのが1枚にはなりましたね(笑)。
一方で、苦手だな、この人とは合わないなと思う人にアプローチしたときに、一方通行のコミュニケーションになっていると思うこともまだあります。話しかけても会話のキャッチボールが続かなくて、「ふーん」で終わってしまったりすると、次の会話に持っていけないんですよね。「まだこの人とは壁あるかな、2~3枚・・・」と思います(笑)。日々トレーニングだと思って、一生の課題とします。
鈴木:自分はそのような変化はなかった気がしますが・・・。業務でどういうことを目指していきたいかを同じ部のキーマンに聞けたのは大きかったです。提供する医療が高度化しているので、他職種から複雑な質問をされたときに対応できるように、薬剤部の中で担当が振り分けられるようになりました。キーマンはがんに関係する業務をやっていたので、がん関係の仕事をやっていきたいのかなと推測していたのですが、尋ねてみたらがんに興味をもっているわけではなかったことがわかりました(笑)。
加藤:私は職場への影響力が大きい人と個別に話をしてみました。その人はかなりビクティムで、「嫌です」などネガティブな発言が多く周りにも影響を与えていました。その人は、同僚が減ってしまったことでどんどん責任を負わされていました。きっと、「期待しているよ」と周りに言われるのが嫌なのだろうと思い、その人の気持ちを汲んでみたんです。相手に合った対応を心がけて接したところ、「そうですね」とこれまでにないポジティブな反応が返ってくるようになりました。なぜその人に仕事をお願いするのかまで突っ込んだ話をできたのがよかったですね。相手のことを知らずに一方的な指導ばかりしていたら、相手の反応は変わらなかったと思います。
宮田:私のキーマンにはまだ変化がないと思っていますが、これまではスタッフ同士だけで話をしていたのが、言いにくいことでも私に直接言ってくれるようになりました。