【コーチング導入事例】複十字病院 人材育成プロジェクト「職員のコミュニケーションを変える決断をした理由」教育委員会委員長 吉田 直之先生

今回は、複十字病院で初めての人材育成プロジェクト「ハジメル-会話で行動を変えていく-」のリーダー、吉田 直之先生にお話を伺いました。

職員同士のコミュニケーションができずして、対患者コミュニケーションができるわけがない

病院に限らず、多くの仕事は人を相手にしています。仕事を進めるためには自分の考えや方針を相手に納得してもらう必要があります。つまり言葉による説得が必要で、私はそれを仕事におけるコミュニケーションと考えています。説得される側にも、その人の考えがあります。説得を成功させようと思えば、相手が本当に言おうとしていることをちゃんと受け取り、それに対する自分の考えをちゃんと返さなくてはいけません。患者さんとのコミュニケーションに関して、当院では毎年座学で接遇研修を実施してきました。しかし座学は一方通行で、どうしても挨拶、言葉遣い、接し方、表情、態度など“How to”モノになってしまいます。職員の患者さんに対するコミュニケーションを変えるために、今まで通り、この方法で接遇研修を続けても成果は得られないというのが教育委員会メンバーの共通した意見でした。

自分の考えや方針を納得してもらうという点では、相手が患者さんであろうが職員であろうが、仕事におけるコミュニケーションスキルが必要であることに変わりはありません。今当院に必要なことは、患者さんとのコミュニケーションを変える前に、職員同士のコミュニケーションが変わらなければいけない、ということだと思っています。それができなければ、患者さん相手も無理でしょう。「まず我々職員の方が変わらないといけない」というのが今回トレーニングを実施した背景ですね。職員のコミュニケーションを変えるのは大変ということはわかっていたので腰が重かったのですが、漸くその重い腰を上げました。