自分を見つめ、鍛錬し続ける
‐ここまでお話を伺って、木村さんにとって仕事とはどんなものなのか気になってきました。
古臭いですけど修行とか訓練の場ですね。仕事を使って自分を成長させていく、その場所ですよね。道場というか。振り返りをしている中で自分の中で気づきがあり、それによって鍛錬されているなって感覚がありますね。その鍛錬が自分にとって心地よいんです。
気づくと、「ああ、これや!」ってなるんですよね。気づいた瞬間に愕然としますけど、同時に「まだやれるな」とも思います。
-鍛錬の場とは木村さんらしい表現です。仕事をする上で大切にされていることは何ですか。
企業に訪問した際は、まず相手の素晴らしい部分を見つけるようにしています。私が関わる人は人事部長など人生経験の豊富な人が多いので、お話を聞くとたくさんの発見があります。企業の担当者の方に出会うって感動の連続なんですよね。感動するために企業に行っているといった感じです(笑)。
その人の歴史を聞くと、どんな人にも転機だったり、凄さがあると考えているので、相手の話に共感し、深く質問をするようにしています。営業に直接関係ない話と思われがちですが、現場経験を経ている方も多いので、結果的にその企業の現場のことまで深く理解できる状態になっているんですよ。
-木村さんはどんな人にも関心をもっている印象がありますね。
ハイパフォーマーには必ず理由があると思っているんです。そういう人を見つけてチャンスだと思ったときにすぐその所以を聞いてしまいます。例えばこの前タクシーに乗った時、ご高齢の運転手と話す機会がありました。すごいシャキシャキしているんですよ。それで色々聞いてみたら、やっぱり毎日ジムに通い続けていて。それも50年くらい前から通い続けているらしいんですよ。「まだまだ働けるよ」と仰っていて。私もジムに通っていて日々鍛えているので、話が盛り上がりました(笑)。
人は人の中でしか磨かれないし、人と触れ合うからこそ磨かれる。そう思いますね。