プロコーチが教える、社内コーチ制度の活用法

ソフトバンクやヤフー、Sansanなど、社内コーチを導入する企業が増えてきました。社内コーチは通常上司がコーチ役となり部下に対して実施します。営業員の業績向上やエンゲージメント向上などの目的で導入されますが、上手く機能しないケースもあるようです。今回は、ありがちな失敗パターンを踏まえた社内コーチの活用法を紹介します。

そもそも、社内コーチとは?

社内にコーチの役割を担う人を置くことで、OJTによる人材育成を内製化する取り組みです。相手の成長を支援し売上向上やエンゲージメント・モチベーション向上につなげることを目的とします。コーチはティーチングやコンサルティングと異なり知見や経験といった正解を教えるアプローチではなく、質問により相手に考えさせるアプローチをとります。従って社内コーチは相手に質問を投げかけることで自発的な気づきを生み、行動を促進する役割を果たします。

ありがちな失敗パターン

仕事を遂行する上で業務命令は必須ですが、社内コーチの時間には日常のマネジメントスタイルをスイッチさせる必要があります。「社内コーチ」と言いながら部下に求められていないアドバイスをしていたり、進捗確認に終始していたりした場合、それは「社内コーチ」制度を活用できているとは言えません。アドバイスや進捗確認は上司(社内コーチ)が伝えたい・[知りたい情報であり、それは日常のマネジメントで実施すべき内容です。あなたの会社の社内コーチ制度は下記のような状況に陥っていませんか?

チェックリスト

  • 上司(社内コーチ)の話す割合が8割以上
  • 上司(社内コーチ)が聞きたい情報だけ聞いている
  • 上司(社内コーチ)が共感に終始し、受動的
  • 部下の発言に”HAVE TO””MUST”(〜しなければいけない、すべき)が多用される
  • 社内コーチが延期になりがち、遅刻しがち
  • 質問の形をとりながら、上司が期待する答えを言わせている

このリストに1つでもチェックがついたら要注意サインです。部下が社内コーチの時間を苦痛に思い、エンゲージメントやモチベーションが上がるどころか下がっている可能性が高いです。