気づきに直面し、鍛錬し続ける

‐リスクの分散とは具体的にどういったことなのでしょうか。

惰性で現状維持のまま流されてしまう事や、傲慢であるがゆえの発言や行動が自分にとってはリスクだと思っています。例えば、自分の傾向として目の前のことに没頭しやすいところがあります。走りすぎているとメンバーの動向が見れなくなり、周りが困惑することがありますよね。

そこで、改めて「チームのなかの自分の役割」をテーマにしてコーチングセッションで考えました。コーチからの質問は、例えば、チームが今期終わった時点が最高の状態だとするとどういうイメージか?、そのときの自分の感情は?、そのときの自分が今の自分にメッセージを送るとしたら何と言うか?、そのなかで今自分はどんな部分を成長させる必要があるか?など突っ込んだ質問ばかり。

言葉にして答えていく中で気づいたのは「いてもらいたくない人、いてもいなくてもいい人ではなく、なくてはならない人に。」ということでした。東京と名古屋でお互い遠隔ではあるけど、自分がメンバーと同じ方向を向こうとするなかで「やったね!」と喜び合って一つのクオーターを終われるようにしたい。そのための行動を具体化して予定表に書き込み実行に移しています。実際、東京のメンバーと電話するときに、そんな意識をもって話すと自分の言動が変わります。また、相手もこちらを向いてくれるような印象があります。

これも、自分の傾向に気づいて、起こり得るリスクを予想しなかったら得られなかったことです。気づきというのは自分にとったら負荷なんですけど、必要なものですね。大げさかもしれませんが自分自身を革命していけるイメージです。

‐木村さんにとって、コーチはどんな存在でしょうか?

自分自身を認めてもらえる、他の人には言えないような嬉しいことがあったらそれを一緒に共感しあえる存在であり、定点観測ですね。質問に対して答えて、気づきを得た瞬間は琴線にふれるような、「これやな!」って思います。自分で考えていないような角度から質問もしていただけますし、自分の底から、自分の中から取り出せていると思いますね。自分でそれ(気づき)を見に行くというか。コーチから与えられているものではないですよね。そういった意味で他になく、変えられないものですね。

自分の力をチャージしてくれるような、充電器ではないですけど。発射台のように勢いよく飛び立たせてくれるものですかね。

私たち人って、4つの窓があって、人によって比率が違うと思うんですよね。4つの窓というのは、自分で見える窓、自分と他人が見える窓、他人から見える窓、自分も他人も見えない窓といった感じです。自分で見える範囲が広い人は自分自身で何とかなると思うんですけど、私のようにそこまで広くなく、自分のことが見えていない人はやるべきだなと思います。大半は自分が見えていないことにも気づけていない、気づこうとしていない人なのではないかと思います。

一人で課題や悩みを抱えている人はいっぱいいると思うんです。そういう人はコーチングを受けてみたらいいのになあと思います。