あなたの時間は限られている
――プロとして意識されてることは?
日々、自分の3年後とか5年後とかの姿をイメージしながらやっています。
実は、スティーブ・ジョブズが作った昔のアップルの機械のコレクターなんですよ。ジョブズがなくなったときに名言をいろいろ読んだんですが、「あなたの時間は限られている」という一言がグサッと刺さりました。
この一言は、結局自分の目標を持たなきゃいけないってことなんだと思うんですよ。5年後のイメージとして持っているものがあるんですが、それはワインショップとか、ワイン業界が誰もなしえていないことで、私がこれからできるんじゃないかってところに目標を持って仕事をしています。
2時間で人生を変えるワイン教室
-伊東さんはワインを通してどんなメッセージを伝えたいと思っていらっしゃいますか?
ワイン教室をする時に、必ず「今日の2時間で人生を変えてみせますよ」と言っています。ワインは一時のやすらぎになったり、人間関係を円滑にしてくれるアイテムにもなるし、落ち込んでいるときに幸せな気持ちにもしてくれる。そういうことをお伝えしたいんです。ビールみたいにゴクゴク飲んでしまうと苦味しか感じない。口の中に広げないとワインはおいしくないんです。飲み方から、ちゃんとレッスンをすると美味しさをわかってもらえます。
あとはやっぱり本当に美味しいワインを知ってもらいたいっていうことですね。1番美味しいのは現地の品質のワインなんですが、残念ながら日本国内には劣化して状態が良く無いワインも少なくありません。劣化した美味しくないワインしか知らないで終わっちゃうって勿体なくないですか。本当に優れた品質で、ずば抜けて新鮮でフレッシュな感じをわかってほしい。美味しいワインはこんなに美味しいんだって。
経営者として成し遂げて人生を終わりたい
――伊東さんにおススメされて、好みでないと思っていたワインも、飲んでみたらすごく美味しくってびっくりしたことがあるんです。先入観が邪魔をすることもあるのだと反省しました。ワインを飲んでいたはずなのに、価値観に向き合う時間もいただきました。
そういっていただけるとうれしいです。家族や周りの人を幸せにしたいという思いももちろんありますが、私は経営者としてお客様を幸せにするために仕事をしています。カッコいいことを言うようだけれど、結局はそれに尽きると思っています。もちろん利益も求めるけれど妥協していると良いワインは届けられない。やりがいとしているのはそのようにお客様に喜んでもらうことなんですよね。何かを成し遂げて、人生を終わりたいと思うんです。カッコつけても、一番大事にしていることはブレません。
私にとってワインとは、自分を育ててくれたものだし、人生の生きがい。私や周りの人も含めて自分自身が幸せになるものだと思います。