コーチは自己実現のための伴走者ー燃え尽きる前に医療者にコーチングをー【後編】 松本卓先生

医療者の燃え尽き防止・QOL向上にコーチを活用する

-どんな人にコーチが必要だと思いますか?
全員コーチついていて良いと思うんですよね。コーチのついていない部活はないし。
特に医者で言うと、コーチと親和性が高いと思います。医者の特性を考えたとき、医者って孤独なんですよね。専門性が高いからはお互いに領土を侵犯しないし、同級生でもお互いのことを「先生」と呼び合う場合もあり、良い意味でも距離を取って接している。特に上下関係になると必ずしも親しく話せるわけでもないから孤独ですよね。

でも医者が扱っている内容はシビアで、ストレスが多い。頭も使う。大半の医者は悩んだり燃え尽きたりしていると思います。
ただ残念なことに聞く耳を持たない人にコーチはフィットしないのかなと思います。自分からこういう問題があると相談できる人でないと。早い段階でコーチに慣れ親しんでいたら良いですよね。部活にコーチをつけることに疑問を持つ人はいない、でも医者がコーチをつけると言うともしかして「何?」となります。でもコーチは敷居の高いものでもないし、エグゼクティブのものでもない、大学の授業の一環くらいにでも入って行ったら良いんじゃないかなと。

僕自身もっと早く出会っていたら違うキャリアを歩んでいたかもしれない。こうなったことが悪かったとは思わないですけどね。