労働生産性を上げるフランス人の働き方、休み方に学ぶ

12月に入ってクリスマス休暇の宿を探し始めたところ、手頃な値段の宿はどこもいっぱいで、いくつものサイトを検索してやっとの思いでホテルを予約しました。「フランス人は、バカンスのために仕事をしている」と言われることが多くありますが、早い人は夏のバカンスが終わった後にはもう冬のバカンスの準備を始めています。バカンスにかける思いは日本人の比ではなく、夕食後に家族が集まり、ああでもない、こうでもないといいながら次のバカンスの過ごし方や行先について議論を重ねるそうです。いかにも、雄弁で話し好きなフランス人らしいエピソードではないでしょうか。

日本では有給休暇の取得増進が叫ばれながらも、有給消化率に大きな変化はありません。フランス人は、年に数回もの長期休暇を取得しながら、どのように労働生産性を上げているのでしょうか。

日本とフランスの労働時間

労働基準法では一週間あたりの労働時間が40時間と定められています。一方フランスでは、管理職や弁護士、医師などを除いた労働者の法定労働時間は、週35時間に制限されています。毎週積み重ねられていくこの5時間の差は、一年あたりで考えると260時間以上、1か月分以上も長く働いていることになります。

フランスでは、ワーキングシェアによる雇用の促進と生産性の拡大、生活や健康状態の改善などを目的に、1936年には40時間、1982年に39時間だった労働時間が、2002年に35時間に短縮されました。2000年以降出生率が増加したことも、労働時間の減少の成果のひとつだと言われています。