【コーチング導入事例】神戸市立医療センター中央市民病院 教育担当者育成プロジェクト2018


「背中を見て育て」は、終わった

坂地:僕は岩倉先生の話を聞いていて、1000人の患者さんを見分けられるのがすごいなと思ってて。一人一人にかけられる時間は3分しかない中で1000人を区別する。患者さんとの関わりとスタッフとの関わりはちょっと違うかもしれないですけども、僕はスタッフとの面談では、人によっては1時間とか2時間になることもあります。最近は、相手に考えさせるのもそうですけども、相手が何を望んでいるかというのを聞く余裕が出てきたかなとは思っています。言うだけでスッキリしましたという子もぽつぽつ出てきて。何となくそういういった風土が浸透してきたのか、話に来やすい雰囲気が出てきたのか、ちょっと愚痴聞いてくださいというスタッフが来るようになりました。

岩倉:それってすごく信頼されているということじゃないですか?

近藤:受け身じゃなくて相手から来るというのはすごくいいことのような気がします。

坂地:コミュニケーションについて、これまでこうかなとぼんやり思っていたことが、名前がついていたり理論的に説明されていたりしたので、それらをきちんと認識できて知識として身についたかなというのはあります。とてもためになったので、現場で働く人たちにも学んでほしいなと、すごく今思っている感じです。僕らは技術職で技術を習得するようになる中で、今までは一子相伝みたいにつきっきりでとか、個人の考えがどうこうというよりも「これはこうするものだ」という教え方が定着しているところがあって。僕ら臨床工学技士の初期の人たちというのは先輩がいない環境で業務を行ってきたので、自分はこうしてきたからこれが正しいんだと伝える傾向がある。スタッフがある人に教えられたやり方を別の人の前ですると何でそうするんやと怒られたりして。それぞれの小さなこだわりを見ると一つ一つに意味はあるんですけど、どうしたらいいかは何を優先するかで変わってくるし、大事なのは事故を起こさず安全に業務を完了することです。そうなってくると、大きな目標に向かってどうしていくかを考えるためには、細かく教えるよりはコーチングのような相手に考えさせる手法が使えたらいいなと。

近藤:手術もそうですね。指導というのは、気を付けないとやりかたの押しつけになってしまいます。使い道具や手順というのは人によって微妙に違いますから。僕らはレジデントが相手なので、指導医の数だけ(5,6通り)のやり方を勉強して、その都度その指導医がどのように考えて行っているかをしっかりと肌で感じで勉強していってください。どれが正しいとか間違っているとか正解はありません。自分が指導医になったら、いままで指導されたやり方の中で自分が一番合理的で正しいと思う好きなやり方でやってくださいと指導しています。せっかく大きな病院にいるんだったら、いろんな他の人のやり方を吸収して、今後の自分の糧にすれば、無駄がないのでは、と提案しています。

坂地:まだまだ教える側が細かいやり方にこだわって怒るんですよね。教える側がもっと理解しておかないといけないと思います。