自分の「やりがい」を創り続ける-名古屋第二赤十字病院 名誉院長 石川清先生


やりがいを持ち続ける自分である

-これからはどんなことに取り組んでいかれますか。

昨年12月に70歳の古希を迎え、3月末に院長を定年退職しました。現在、週3日は清須市にある佑愛学園という学校法人で働き、週2日は名古屋第二赤十字病院で働いています。週5日働いていますので、生活のパターンは以前と全く変わっていません。佑愛学園はリハビリの短期大学や幼稚園やクリニックや老健施設を持っていて、地域のお年寄りを元気にするというビジョンを掲げて社会貢献的な取り組みをしている学校法人です。自分も歳を取っていくことを考えて、このビジョンは自分に合っているしやりがいがあると思って、この学校法人にお世話になることに決めました。今年1年は学長見習いで教授として短大生に週1回講義をしています。公衆衛生学とコーチングの講義をしていますが、週1回の講義の準備は結構大変です。

-病院ではどのような活動をしていかれますか。

健康経営センター長という肩書きをいただいて職員の健康管理に取り組んでいます。それはまた一つ私にとってのやりがいになると思います。医療界は職員の健康管理という面では一般企業に比較し遅れていると思います。しかし、医療法人の中には健康経営に取り組むところも沢山出てきています。当院でも職員の健康管理にしっかり取り組むため、この4月に健康経営センターを立ち上げました。全病院的に喫煙者をゼロにしたり、メタボに対する取り組みを進めることで、ホワイト500*を目指すのが一つの目標です。既に取り組みが始まっているのは、リハビリ室を活用した院内フィットネスジムの開設、喫煙者の職種別データ開示と職員のための禁煙外来設置です。また院内のレストランで健康やダイエットを考えた食事のメニューを出すことも検討中です。自分自身も病院の産業医として役立ちたいと思い、今年の夏に産業医の資格を取る予定です。まずは職員の健康管理にしっかり取り組んでいきたいと思っています。

-石川先生にとっての北極星(目指しているところ)は何でしょうか。

日々毎日、やりがいを持って人生を送ろうと思っているだけで、何かに到達しようと思っているわけではありません。ですから目指しているところはありませんが、常にやりがいをもって生きていきたい、大切にしていることを見失わないような人生を送りたいというのはあるかもしれません。ことし定年を迎えて、そういうことをよく考えるようになりました。あと10年、20年はそういう考えをずっと持ち続けていたいということが、北極星かもしれません。
定年後しばらくの間、現役と定年のギャップに戸惑いました。いろいろ考えた挙句到達した結論は、いままでやってきたことはすべて白紙にして、「いま自分は何ができるか」、「これからの自分に何ができるか」と言うことが最も大切だと思いました。やりがいは誰かに与えてもらうものではなく、自分で創るものでしょうね。ですからこれからも勉強して、職員のための産業医として戦力になるとか、新たな挑戦を続けていこうと思っています。

*経済産業省が2016年に創設した認定制度「健康経営優良法人」のうち、規模の大きい企業や医療機関を対象とした大規模法人部門の認定法人を示す愛称

石川 清(Kiyoshi ISHIKAWA)

名古屋第二赤十字病院 名誉院長

愛知県生まれ。名古屋大学医学部卒業。名古屋市立大学病院麻酔科助手、トロント大学医学部麻酔科留学、名古屋市立大学病院集中治療部助教授、名古屋第二赤十字病院麻酔科・集中治療部長、副院長・救命救急センター長、名古屋市立大学医学部臨床教授、名古屋第二赤十字病院院長を経て、2018年より愛知医療学院短期大学教授、現職。麻酔、集中治療、救急医療、災害医療を専門とする。日本コーチ協会認定メディカルコーチ。

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