暗い部屋の中で、一点の光明を見い出せるか

今回は株式会社ビズソルネッツの創業者、代表取締役、阿比留眞二さんにお話をお聞きしました。

−経営者になろうと思われるまでの背景をお聞かせ頂けますか?

大学が商学部系統だったので、最初は経理に入ろうかと思っていました。通っていた大学が金融関係の企業に強かったのですが、金融機関って面白くないなっていう個人的な感覚を持っていました。それでメーカーでいろいろなことをやったほうが面白いと思いました。それで花王に面接を受けにいったんですね。当時は5次面接までありました。1/25の倍率で受かったと聞かされましたが、僕自身にすごい能力があったわけではなく、花王と相性があったのだろうと思いました。

−当時は阿比留さんのように起業の道を決断することは一般的だったのでしょうか。

全く一般的ではなく、恐らく私が初めてでしょうね。でも会社と喧嘩してやめたとか、そういうのではありませんでした。大学で経営系統の勉強をしていたことと、経営に非常に興味がある兄の影響もあり、経営っていうのは面白いなと思っていました。なぜ「良い会社」、「悪い会社」に分かれるのだろうか、もっと突っ込むと、なぜ「良い経営者」と「悪い経営者」に分かれるんだろう、こういったことを疑問に思っていました。良い会社の原理原則をきちんと使えば、それってものすごくヒントになるだろうし、悪いところがあったら直す、その期間が長いか短いか、また人的な資源が周りにあるかどうか、そういうのも経営に影響しますよね。やはり良い会社を見ていると人を大事にしていたり、自分の考えだけじゃなく、みんなで膨らまして作っていく社風だったりがあります。それってすごいし面白いなあっていう意識があったので、40になったとき家内に宣言したんです。あと「10年たったら独立するから」と。当時定年は60歳でしたので、あと20年あるんだからやりたいことをやりたいなと思いました。ですから50までの10年間で知識を得て、人脈も作りたいなと思って努力しました。たまたまその間に花王で教育部門に配属されて、「問題解決の手法を作ってくれ」と言われ、作ったものがものすごく好評だったんですね。