一人でも部下がいる人は実践したい「承認」のスキルとは?

3.承認を活用する上での注意

目標に向かうモチベーションを高め、行動を促進するのに効果的な承認ですが、使い方には注意が必要です。

承認を活用する際の注意点
1) その場で、具体的に
2) 相手との関係性を考慮する
3) バランスを意識する

1) その場で、具体的に
突然「あれ、よかったよ」と言われても、それが何のことなのか、何を認められているのか受け取ることは難しいです。「さっきの資料は数字が使われていて分かりやすかった」など、その場で具体的に伝えることが大切です。

2) 相手との関係性を考慮する
どのような言葉が「認められた」と感じるかは人によって様々です。「評価されている」と受け取られてしまう場合もあります。例えば自分よりも年下の人に、「素晴らしいですね」と言われたら、「バカにされている」、「お前に評価されたくない」と思う人もいます。また、信頼関係のない相手に「さすがですね」と言われても、「私のことを知らないくせに」と思う人もいます。相手との関係性の濃淡や、相手から自分がどう見られているかを考慮して、承認の言葉を選択することが必要です。

3) バランスを意識する
褒めるのが苦手な上司に多いのが、成果承認を過多に行ってしまい失敗するケースです。プロセスよりも結果を重視しすぎると、部下がコンプライアンスを守らなくなってしまう、過度の競争により離職者が増える、顧客視点がなくなりクレームが増えるといったことが起こる場合もあります。一方で存在承認ばかり行い、行動や成長、成果に対する承認を行わなかった場合も、居心地はいいけれどなあなあになり、積極的な行動が起こらなくなる場合もあります。バランス良く承認を行うことが必要です。

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