【コーチング導入事例】 複十字病院 人材育成プロジェクト「マリオがフラワーマリオになった」地域医療連携室 荒井 友範様

今回は、複十字病院で初めての人材育成プロジェクト「ハジメル-会話で行動を変えていく-」の発案者であり、プロジェクト事務局の荒井友範様にお話を伺いました。

様々な想いの掛け算から生まれたプロジェクト

-今回のプロジェクトを病院に提案されるまでの背景を教えて頂けますか。

今回のコミュニケーション・トレーニング実現には、様々な人の想いや会話の掛け算があって成り立ったと考えています。病院幹部は、次世代を担う職員に主体的に行動してほしいと考え、教育委員会では、接遇研修の企画にあたり、これまでの座学形式ではなく行動変容につながる実践的なプログラムを検討。看護部副師長会では、人材育成にあたりコーチング導入を検討していたが、具体的にどう進めていくか悩んでいました。私は、事務部勉強会や連携機関を招いて行う地域交流会基調講演でコミュニケーションスキルを取り上げ、多くの人に「コーチングを知ってもらいたい」と活動をしていました。教育委員会で、人材育成プロジェクトが企画されコーチングスキルを主体としたコミュニケーション・トレーニングが実施されることを聞いた時は、とても嬉しかったです。
思えば、私がコーチングに惹かれたきっかけは2015年日本病院学会での名古屋第二赤十字病院さんの発表でした。発表を聞いて、すごく驚きました。自分をさらけ出して、フィードバックを受けるのは重要だなと思いましたし、病院全体でコーチングに取り組んでいるのはすごいなと。こういうことが当院でできたら良いだろうなと思いました。ちょうど私自身が自分を変えたいと思っていた時期だったので、そこからコーチングを学びたい、身に着けたいと思うようになりました。埼玉県医事研究会のコーチング勉強会に参加しました。これまで「自分はできている」と思っていたし、自分のコミュニケーションが周りからどう映るか考えていませんでした。自分自身の固定観念を崩せましたね。衝撃でした。リーダーとしてあるべき姿や目標管理に対する考え方についても学ぶことができましたし、コミュニケーションにスキルがあることを知り、コーチングを学ぶことで自分の弱さ、欠点を補えるのではないか、そして自己成長できるのではないかと気づきました。同時に、「院内の課題を解決する具体策としてコーチングスキル」が有効だと考えていました。コーチングに魅力を感じていた私にとって本プロジェクトは2年半越しの想いが叶った瞬間であり、事務局を担うにあたり自分事のように情熱をもって取り組みました。