Real Coach Report vol.3「自分の北極星に進み続ける」

-ビジネスマンがコーチをつけるのが当たり前になると、日本はどう変わるでしょうか。
企業のトップがプロコーチをつけるのが当たり前になったら、進みたい方向性にスピード感をもって進んでいけるんじゃないかなと思うんですよね。なんでそう思うかというと、私は中小企業経営者をコーチしているのですが、コーチをするうちにやりたいことが明確になってくるんです。それまでは、「一代目が敷いたレールをどう進めていくか」、「そんなことが自分にできるのか」、「いきなり振ってきたけど、自信がないし」などの揺れがありました。特に中小企業では、経営者の揺れが企業の揺れにもつながるし、経営者の迷いが事業の迷いにもつながるし、それがわかりやすいんです。コーチをつけることで、自分の考えをまとめたり、自分自身のことを考えたりする時間が増えてくるじゃないですか。それによって安定感が増すとか、スピードが増すとか、うまく進む時もそうでない時もあるけど、「そうなったんだったら次どう進もうか」という思考に走れるとか、そのような変化を体感することが多いです。そういうことが多くの企業で、当たり前になればなと思います。もちろん、今でもトップは、自分に問い続けていらっしゃるとは思いますが、私たちには自分の考えの癖があるので、癖からは案外逃れられていないように思うんですよね。コーチングは自分の癖とは違うところからアプローチされるので、「あ、そんな部分もあったのか」、と多面的な自分を開発しやすくなります。逆に、「あ、また同じところにいるんだな」ということにも気づきやすくもなります。
そういったことが当たり前になって、皆さんがそんな風に考えられるようになると、人口が増え出さないかなと思っていて(笑)。自分との付き合いを上手くする、それで「私ってこういう人なんだな」、「私がここに生まれてきたのってこういう使命なんだな」と目覚めて、自分を受け止める力が増えて、自分を生き切れるようになる。そうしたら活き活きするし、楽しい人生を送れるし、周囲のことも明るく元気にしてくれるでしょうし。そんな大人が増えてくれば、子供も「大人っていいな、あんな大人になりたいな」と思いながら自分らしく活き活きと生きてくれる。そうすれば大人が「なんか子供産もうかな」と思うのではないかと。人口が増えると経済は発展するじゃないですか。結局、昔の日本の右肩上がりの経済って、人口の構造と一緒なんです。だから、まずは人口を増やすことが大事じゃないかと(笑)。いきなりコーチングと人口問題が結びつくかはわかりませんが、それでも活き活きしている人が増えることが、人口が増えていくことじゃないかな、と思っているんです。

寺田由美 Yumi Terada

HRリスペクト株式会社 代表取締役
一般社団法人コーチングプラットフォーム 代表理事

 

自分もコーチをつけてみる