コーチングの活用方法


4. チームビルディング

コーチングはチームビルディングにも活用されています。個人の成績が重視されている営業チームや、専門性の高いプロフェッショナルの集まりの場合、メンバー間での意見交換や協力が少なくなりやすい傾向があります。違う人が同じ仕事に着手していることに気づかない、成功・失敗事例が共有されず組織として学びや成長がない、伝達ミスにより損失・損害が出るなどの非効率につながります。コーチングにより、メンバーの視点を広げたり、チーム内のコミュニケーションを増やしたりすることで、相乗効果を高め、チームとしてのパフォーマンスを高めることが期待できます。反対に、メンバーが良好な人間関係を重視するあまり、相手が間違っていると思っても率直に意見を言えない、課題に向き合わない、挑戦しないといった問題が起こる場合もあります。コーチングを活用することで、チームのビジョンや目標を共有し、チームとしての目標を達成するための個々のメンバーの目標を明確化することで、目標に意識を向けさせ、生産的なチームをつくっていくことができます。

5. 医療安全意識の向上

近年、コーチングは一般企業だけでなく、病院でも活用されています。東北大学病院では医師や看護師、メディカルスタッフ等、の延べ342名にコーチングを活用したコミュニケーション・トレーニングを実施。コミュニケーションの向上が患者安全文化向上にどのような影響を与えるかを調査・解析を行っています。その中で、コーチングスキルの一つである「提案・要望」スキルの向上が、院内における患者安全文化の向上に繋がる可能性が報告されています。「傾聴」、「承認」、「質問」などの基本的なコーチングスキルが活用された上で、「提案・要望」を効果的に行うことが患者安全文化の向上に寄与することが示唆されています。(Shin-Ichi Izumi,Yoshihito Furusawa et al: Identification of communication skills that improve patient safety culture: analysis of a communication skills training program for university hospital staff, Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science:doi.org/10.11336/jjcrs.8.88,2017)


ご紹介してきたように、コーチングは様々な場面で活用することができます。すべてに共通しているのは、目標達成のためのコミュニケーションだということです。目標を達成するためには、目標設定を行い、達成に必要な行動・軌道修正を行ってPDCAサイクルを回し続けることが必要です。独力で行おうとする場合、適切でない目標(高すぎる、低すぎる、本当に実現したいことではないなど)を設定してしまう、すべきことはわかっているが行動できない、効果的な軌道修正ができないなどの障害が発生しやすく、途中で挫折してしまうことも少なくありません。コーチングを用いると、クライアントは自ら達成したい目標を設定し、そのために必要な行動を明確にしやすくなります。クライアントは、コーチからの質問やフィードバックによって現状と目標との差をより正確に把握し、効率的な軌道修正を行うことも可能となります。
現在、いくつかのフィットネスクラブや語学スクールでも、会員や生徒の目標達成にコーチングを活用しています。

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