指原莉乃さんに見る、今後求められる「真のプロ」人材と陥りがちなパターン


新型コロナウイルスが契機となり、在宅勤務が定着した企業も多いのではないでしょうか。
出社して膝を合わせた議論や上司・部下とのコミュニケーションが前提でなくなる生活の中で、企業の第一線で活躍し続けてきた40代のビジネスパーソンが、自身のキャリアを見つめ直すためのコーチングニーズが増えています。

 

そういったビジネスパーソンに共通しているのは、入社して以来ずっと組織のため、会社のため、マーケットのために働き続け、上司や会社からの期待を超えるべく努力を続けてきたことです。体調が悪かろうが気分が乗らなかろうが、周りの期待に応えて成果を出すことが何よりの前提で、自分自身のニーズと向き合う時間を取ってこなかった方が多いのです。このタイプは、他者を喜ばせるための努力を怠らない優等生ではありますが、自身を消耗しバーンアウトしがちな「滅私奉公」の傾向があります。(図:右下)

 

 

そのようなビジネスパーソンが、在宅勤務になり家族との時間も増えて、ふと立ち止まった時に今後のキャリアをどうするか考えるようになり、それに付随して自分の市場価値や今後20年のキャリア、自分にとってのWell-beingを考えるようになるケースが目立ちます。このような背景から自分自身と向き合うためにコーチを付ける方は多く、これまでの社会人人生の過ごし方の反動で、自分がやりたいこと・ワクワクすることを追求し、Well-beingである状態へのシフトを目指される方も一定数いらっしゃいます。(図:左上)

 

「職人」タイプの特徴

上司や会社、マーケットの期待に応える努力を続ける人がいる一方で、自分の好きなこと、興味関心のあることを突き詰めて、それを仕事にしようとする人たちもいます。芸術家や専門職、研究開発職に多く見られます。自分がやりたいことを仕事に選んでいるため仕事に対するエンゲージメントは高いのですが、マーケットの視点を考慮しないため、コストが膨大にかかる割に利益の小さなことに時間をかけたり、あまり顧客ニーズのないことを深堀りしたりする傾向があります。個人事業主や起業家の場合、資金繰りに難航しやすくなります。
芸人のヒロシさんは、趣味である一人キャンプ動画を公開し始めた時点でこのタイプに当てはまりましたが、一人キャンプ流行の先駆けとなりマーケットができたことで、結果としては求められる人材となっています。

 

ヒロシさんのようにヒットすればよいのですが、多くの場合は「なぜ、時代がついてこないのか」と手ぐすね引いて待ち続けていることがほとんどです。このタイプに当てはまる方は、出すべき成果と期限を定義し、未達だった場合は自分のやりたいことを一度脇に置き顧客ニーズに対応する努力が必要です。

 

今後求められる「真のプロ」タイプの特徴

今後求められる人材は、自分のWell-beingとマーケット視点の両輪をバランスよく兼ね備えた「真のプロ」です。
サステナブルに働き続けるには、自分自身のWell-beingにも気を配る必要があります。ただし、自分だけ心地よい状態を目指すのではなく、顧客の声に耳を傾けて求められる価値を提供する努力を怠らない点で「職人」と異なります。このタイプは、自分を大切にしながらも他者を喜ばせる努力ができる人ということになります。

 

芸能人でいえば指原莉乃さんがこのタイプに該当します。自分の好きなことを仕事にしながらも、好き勝手やっているわけではなく番組全体や視聴者のことを常に意識した立ち居振る舞いをしています。
外資系コンサルティングファーム、ローランド・ベルガー日本法人会長 遠藤功氏の書籍『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』では、プロの条件として「高度専門性×市場性」をあげています。指原さんの場合、「アイドル出身ながらトークもできる」が高度専門性で、誰も傷つけることない絶妙なラインで毒を吐くお茶の間ウケのコメントが「市場性」ではないでしょうか。

 

昨今、プロフェッショナル人材を求める声が高まっていますが、専門性があれば何でもよいわけではありません。どんなに自分の好きなことを突き詰めて誰にも負けない専門性を有していても、市場に求められなければ宝の持ち腐れになります。自分の持ち味を存分に発揮したいのなら、専門性を磨くだけでなくマーケットを見据える必要があります。

 

「意識高い学生」タイプの特徴

最後に、フルタイムで働きながら資格取得のためスクールに通ったり、自己投資を続けているストイックさを有している人は注意が必要です。一生懸命なつもりが、実はマーケットニーズや将来性のない努力になっている場合もあります。このタイプを「意識高い学生」と名付けます。学ぶこと自体が目的化しやすく、私生活や体調を犠牲にしてバーンアウトしながらもリターンを得られない、不毛な努力に陥りがちな傾向があります(図:左下)。
このタイプの人は、本来の持ち味であるストイックさや継続的な努力をマーケットニーズのあることに投下することで、市場価値のある人材にシフトできます。

 

 

ビル・ゲイツは”Everyone needs a coach”と表現しましたが、普段一生懸命働いている人ほど自分自身を客観的に見つめづらくなるものです。
自分の持ち味を仕事で発揮して、Well-beingな状態を保ちつつ他者を喜ばせるための努力、マーケットインの視点で働き求められる成果を出すことを目指しませんか。