Real Coach Report vol.1 コーチングは漢方薬のようなもの

コーチングで言葉の力を磨く、強みを力にする

-コーチングを受けるのにおすすめな人はどのような人ですか。
自分の想いや考え、気持ちなどを言葉にして伝える必要がある人にもコーチングは有効です。コーチングではクライアントが話をすることで言語化する能力そのものも培われていきます。言葉を通して意味を伝えるのは簡単ですが、その裏にある意識や、大切にしていることはなかなか上手く伝わりません。リーダーとして、会社をこうしていきたいと思っているという想いや、ついていきたいと思ってもらえるものを伝えていくには、自分が大切にしていることを相手に受け取りやすいように言語化する練習が必要になってきます。それに対して一番厳しいフィードバッカーになるのがコーチです。
もう十数年コーチングを継続して頂いているクライアントで、の経営者の方が、その方と私が最初にお話したときに「今の社長の話しはが何を言っているのかがわかりません」と率直にお伝えしたことがあったようです。「熱い想いは伝わってきますが、私がもし部下であったなら、社長のお伝えになりたいことがよくわからないです」と。「それがきつくてねえ」と今でも苦笑されます。そんな正直なフィードバックができるのはコーチならではと思います。どんな言葉が相手に伝わるのか、意外と話している本人には一番分からないものです。普段、思っていることやビジョンを安易には周囲に話せない中で、自由に話ができて、伝わることも伝わらないことも率直にフィードバックを受けられるのもコーチングで得られるものの一つです。
最近ではブログやfacebookなど、言葉にして発表する場が多くなりましたが、どんなことが伝わるか率直に伝えてくれる人もそう多くはありません。そういうときに「私から見ると痛々しい感じがします」「あの話をしてもらったほうが多くの人の共感を得る感じがしますよ」と伝えることもあります。
人が自分の言動をどう感じるかもですが、自分の価値もなかなか自分では分からないことがも多くあります。無意識のうちに、過去に両親や上司から言われたことで、こうすべきだと思い込んでいることもあります。コーチングで話を伺う中で、クライアントが一番生き生き話しているところや、気を遣っているところ、人からこう見られたいのだなということも強く伝わってきます。人が一番生き生きできる、やりたいことをやっていく環境をつくる上で、まずは無意識に何を不安に感じているか、そこに向かわせない障害は何かが明らかになり、それなりの生活をしていけるという安心や安全が手に入らないとやりたいことに向かえない場合もあります。好きなことでも、それをどんなふうに、どれだけやるかというバランスと見極めは必要です。会社で仕事をしていることが一番のアイデンティティという人もいれば、それ以外の社会的な活動で自己実現していきたいという人もいます。そのために働いて給料をもらいながら、それ以外に自分がやりたい社会事業的なことをやるという方も、これからさらに増えていくのではと思います。自分の価値となることを自分の生活の中に入れながら、人生全体を謳歌していくためにバランスを取っていくことにも、コーチングは活用できます。
自分の強みになっていることを自分の生活の環境の中に入れておくと、あっという間に成果が現れてきます。例えばたとえば人と関わるのが好きな人は、一人では運動が続けられなくても親しい近所の人と集まって歩く習慣を作れば、継続することができる。そんなふうに、やりたいことを実現させるのにその人の強みを活かした実行の仕方が工夫できるとあっという間にできてしまいます。コーチングを通じて、自分の何が強みで何がエネルギーになるのかを知って、それを活かせる環境設定をしておくと、凄い努力をしなくても、気付いたら人から求められるレベルになってしまったという方は何人も見てきました。人生全体を考え、自分自身を俯瞰して向上していくために、やりたいことと自分の健康、家庭とのバランスを取り、人生全体を考え、自分自身を俯瞰し、向上していく自分らしいやり方を得るためのにコーチングを活用する方々が、これからも一層増えて欲しいと切望しています。



近藤 真樹(Maki Kondo)
株式会社コミュニケーション・ファンデーション 代表取締役
一般社団法人コーチングプラットフォーム 理事
生涯学習開発財団 認定マスターコーチ
ギャラップ認定ストレングスコーチ

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