myPeconコーチインタビュー Vol.009 山本 理央コーチ

私がコーチとして大切にしているのは、ユーザーのニーズや想いに寄り添うことと、ご自身が進みたい道に向かって一歩進もうというエネルギーが湧く時間をつくることです。
社会人は皆頑張っていて努力もしているし、素晴らしい所がたくさんあります。ですが、職場で自分の良い所を発見してもらえる機会って少ないと思いませんか。ですから私のセッションでは、強みや素晴らしい所をたくさん発見し、ユーザーのエネルギーが湧くような時間にしたいと思っています。ユーザーの強みや素晴らしい所を発見することが、私の喜びにもなっています。

 

私が担当しているユーザーから多く頂くのは、「なりたいマネジャー像や理想像に近づこうという勇気や力が湧いてくる」というお言葉です。
私自身も、理想像を描いて未来に向かって進んでいけるようなコーチングセッションにしたいと思っていますが、いきなり「理想とするマネジャー像は?」「ありたい姿は?」と聞かれても、普段から考えていない限りすぐには答えられないですよね。そうした時には、ユーザーが大事にしている価値観や考え方を一緒に見つけていくアプローチをとっています。

 

ユーザーが大事にしている価値観や考え方の背景には、過去に頑張ってきた経験やそれに紐づいた想いがあります。意外とそういった話は普段他の人に話さないことが多いようで、皆さん「これまでこんな風に誰かに話したことがなかった」と言われます。想いを話しているうちに、ユーザーの中で自然とエネルギーが湧いて、一歩前に進もうという勇気に繋がっているようです。ユーザーのエネルギーが高まっているのを感じるのは、私にとっても一番嬉しい瞬間です。

 

ユーザーの価値観や考え方の背景、想いまで一緒にしっかり味わった後、次に私がアプローチするのは、部下や上司など「他者」の視点に立っていただくことです。悩みの多くは人間関係にあることが多いからです。アドラー心理学には客観的な事実(真実)があるわけではなく、個々の主観があるだけという考え方があります。人と自分は違うという当然のことなのですが、自分の主観(考え方・価値観)のメガネを通して相手の主観(考え方・価値観)を見る事は時として困難です。時にはワークも取り入れて、他者の視点に立つ体験をしていただきます。そうすることで、他者に自分(ユーザー)がどう見えていたのかを理解でき、相手の悩みにも気づくことができるようになります。他者視点を手に入れることは、ユーザーが管理職の場合は特に重要だと思います。

 

他者視点がないと自分の思考パターンに陥ってしまい、新しい発見や気づき、課題を解決するための糸口が見えてこないと思います。例えば「自分の部下はなぜ思ったように期待に応えてくれないのか」という発言には他者(部下)の視点が持てていない事があります。それだけではフラストレーションやイライラ以上のものが生まれません。
部下の立場で体験してもらったり想像してみたりすることで、これまで見えなかったものが見えてきます。ただ“出来ない”と見えていた部下は、実は悩んでいたのかもしれないということに気づけて、それならサポートに回ってみようかなど新しい「トライ」をすることができます。これまで試したことのないトライをユーザーと一緒に考えて、実際にトライして頂く。トライした結果を次回のセッションで振り返り、上手くいったことは一緒に喜び、さらにもう1ステップ必要だとわかったら更なるトライを一緒に考えます。私からアイディアを出すことも多いです。

 

まずはユーザー自身の価値観や想いを理解して、理想とする未来を描いたら、他者視点を身に着けて、トライ&エラーをしていく。そしてトライした結果を振り返り、一緒に喜んだり、次のトライを考えたりする。この一連のプロセスは、自分の人生をクリエイティブに主体的に生きるという事そのものであり、それを歩めているという実感がユーザーにとっての勇気や力に繋がっているのかなと思います。
ユーザーに寄り添い、一緒に歩んでいく姿勢をこれからも大切にしていきます。

 

山本 理央
アナザーヒストリー認定コーチ

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