コーチングという言葉すらよく理解していなかった会社員が、プロコーチのセッションを受けながらコーチングについて学び考えを深めていくおはなし。
自分を生きるための、コーチング
目標を設定しそこに向けてコーチに伴走してもらう、そんなイメージがコーチングにはあるかもしれない。
きっとそれぞれの目標は大なり小なりあるのではないかと思う。
例えば、今日はこの資料をつくりこんで上司の承認を貰う!とか、今週はお風呂をピッカピカにする!とか、子供の給食エプロンのアイロンがけをさぼらない!とか、好きな人に気持ちを伝える!とか、家族と旅行に行く!とか、美味しいアボカドを買って帰る!とか、ゲームでハイスコアを出す!とか。
時間軸も、関わる対象者も様々な目標を目指しながらわたし達は何気ない日常を過ごしているように思う。
そこで、まだコーチングセッションをうけたことのなかった時のわたしが登場する。
伴走してもらう必要のある目標とは何だろうか…。
資料作成もお風呂掃除もアボカドの選定も、言ってしまえば自分一人で完結してしまうのだ。
目標、の存在
これまでの何度かのセッションを思い返すと、わたしのコーチは「次回までに何を達成しましょうか」と質問していることがあることに気が付いた。
その質問を受け、わたしの中にはありとあらゆるやるべきことが浮かんでくる。でも、それはもしかするとこなすべきタスクなのかもしれないなと思ってコーチに質問したことがあった。
「どうしてもタスクばかりが浮かんでくるのですが、これも目標になりますか」と。
それに対するコーチの答えは
「何の問題もありません」だった。
ただ、コーチの話には続きがあって「ここであげたことはしっかりと次のセッションまでに取り組んでみてください。出来たこと出来なかったことを必ずメモしておいてください。次回確認しましょう」という宿題だったのだ。
これはまたいつか触れたい内容になるが、セッション中に自身の状況を整理し次なるアクションが明確になったのならば、日々自分でトライ&エラーを繰り返す。
コーチと一緒に期間ややるべきことを言語化し明確にすることで、自分自身の数週間を客観的に分析できることをいつかのコーチングでわたしは知ることになる。
さて、話は戻るのが…伴走の必要な目標とは何だろう。
そもそも、わたし達は必ずしも目標が必要なのであろうか。
気になったわたしは、コーチングに精通している上司に、聞いてみた。
「コーチングには必ず大きな目標が必要ですか」
「大きいってどんなものをイメージしている?」
「うーん…TOEICで800点取る、とか。キャリアコンサルタントの資格を取る、とか。」
「確かにそれは明確でわかりやすい目標かもしれないね。そもそも、あの山に向かうぞーっという山登り型の人と時の流れに身を任せながら今を生きていく川下り型の人に分かれると言われているから、そこまで目標にこだわらなくてもいいんじゃないかな。もしかすると他の思考の人もいるだろうし。」
「でも、目標がないとセッションの効果が半減しているような気がしてしまって」
「そう?」
「前に進んでいる気がしないっていうか」
「少し真面目に考えすぎじゃない?コーチングはあくまでもコミュニケーションの手法の一つ。自分とどう向き合うかの学びの場でもあるとわたしは思うけどな」
…自分自身とのコミュニケーション。
わたし自身はそのようにコーチングを捉えていなかったので、目から鱗だった。
まず、現状を分析し自分とのコミュニケーションをとることからはじまる。
何故ならば、普段コトばかりに目が向きがちで自分の気持ちや周囲の状況を見落としているかもしれないからだ。だからこそコーチと共に、一つ一つ“ジブン”を丁寧に確認していく作業で、自分自身や周りの人たちを認めることができていくように思う。少なくともわたしはこの数回のセッションで、そう理解できるようになった。
大きな目標がなくても、何か熱中していることが無くても問題はない。
わたしはわたしであり、あなたはあなただ。
コーチングは自分の人生をより自分のものにするためのツールであって、特別な人の為のものではない。
因みに…今日のわたしの目標はラジオ体操をすること、だった。そして無事に完了した。
これを読んでくださっているあなたの目標は何だろうか。
やろうと決めたことは達成しただろうか。
お互いに寝る前に、今日あった出来事を振り返って、明日はもっと良き一日となるように準備をしてみよう。
まずは、自分とのコミュニケーションをとることから、すべてをはじめてみてはどうだろうか。