myPeconコーチインタビューVol.016 山本 雅央コーチ

私がコーチとして大事にしていることは、見えたままを率直に伝えることです。
私はコーチ=鏡だと考えています。そこで、「ポケットが出ているよ」「寝癖がついているよ」というような、言いづらいけれど相手の為になると思うことを伝えています。

 

フィードバックを大事にするようになったきっかけは、私自身がコーチングを受ける中でフィードバックされることに価値を感じたからです。私は元々割と共感性が高いゆえに気を遣ってしまうタイプで、親しい友人にも「言ったら嫌な気持ちになるだろうな」と思い憚ってしまう癖があったのですが、コーチをする時はスイッチを切り替え、意識的に行っています。この「共感性」と「意識的なフィードバック」が、寄り添いながらもフィードバックを提供する私のコーチングの持ち味につながっています。

 

以前、ガチガチの武装状態で初回セッションにいらっしゃったユーザーがいました。走り抜けるようにご自身の考えをお話しされていたので、率直に「お話しを伺っているとご自分で何でも出来るように見受けられますが、コーチングは必要ですか?」と聞いたことがあります。そこからセッションがガラッと変わりましたね。きっとコーチングに対してすごく構えていたと思うし、緊張もしていらっしゃったのだと思います。このフィードバックをお伝えしたことで、「実はそんなことはなくて・・・」と本音をお話ししてくださるようになりました。

 

一般的に、役職が高く優秀な方ほど、周りはフィードバックしなくなりますよね。そんな中で利害関係のない外部のコーチから率直に見えたことを伝えることに価値があるのではないでしょうか。社内とは異なり利害関係がないからこそフラットに聞くことができるという側面もあると思います。関係性にもよりますが、大体の部下は上司に対して「おっしゃる通りです」としか言いません。そこで私が部下に変わって「その言い方は、私が部下だったら嫌です」とお伝えするのです。

 

私たちコーチはどうしても「話すことでスッキリしていただきたい」と思ってしまいます。ですが、その場は気分良く終われなくとも、次のセッションだったり数か月後だったり、考え続けた後に「そういうことか」と腹落ちすることがあってもいいと思います。セッションの場でスッキリしなくても、継続して考え抜いたからこそ、その先に価値が生まれることもあるのではないでしょうか。問いやフィードバックによって、どこかのタイミングでその人が得たい結果に近づくことができていたら嬉しいなと思っています。

 

私のユーザーに多いのは、仕事に求める基準が高く、変数が複雑に絡み合う中で日々戦っているビジネスアスリートタイプです。
このタイプには、求められることに応えてきた結果、自分が本当にしたかったことがわからなくなり、迷子になっている方が多くいらっしゃいます。そういった方々には、自身の本音と向き合い、まずは一度自分を大事にしていただきたいと考えています。
部下や仕事ももちろん重要ですが、自分自身がどうしたいのかに着目することも、サステナブルにハイパフォーマンスを発揮し続けるには重要ですよね。私はコーチとして、共感性とフィードバックを通して現状をリフレーミングするための新たな視点を提供し、その人がその人らしく、目標地点に効果的に辿り着くための価値を提供し続けたいと考えています。

 

 

山本 雅央
国際コーチング連盟アソシエイト認定コーチ
体験する