私の根本にあるのは、人を元気にするのが好きだということです。
相手の成長を一緒に味わう、目標を達成したら拍手をして一緒に喜んで喜びを2倍にすることができる。セッションを通してユーザーのために何ができるか考えることが、自分のエネルギーにもなると感じています。
コーチングは一過性の目標達成にとどまらず、目標達成してからもまだまだ広がりがある。そんな可能性を秘めていると思うんです。
ユーザーが目標達成した頃にはさらに次の目標が定まっていて、「次はこれをやりたい」と言い始めるのです。このプロセスを一緒になってできることは本当に面白いし、私も共有できることがコーチの醍醐味だと思いますし、私自身の成長や進化を感じることができる時間でもあるのでそれも喜びです。私にとってコーチをすることは、心が喜ぶ、魂が喜ぶ感じなんです。
私のユーザーの多くが口にするのは、「自分の強みを認識できた」ということです。強みを認識するのは大変重要です。強みが認識できるとそれを道具として握れるようになって、意図的に使えるようになりますから。
例えば、これまで何となく他者を褒めていたユーザーに「成長承認が上手いんですね」と伝えると、その方は成長承認を意図的に使うようになります。さらに、「どうやったんですか?」、「それで、相手からはどんな反応があったんですか?」と聞き進めていくことで、ユーザーが無意識でやっていたことが意識的になり、さらにその行動の意図と効果、結果までわかるようになっていくのです。
そうすると、今度はユーザーが他者を観察して他者の得意なところも把握し始めるるようになります。自分が得意なこと、他者の得意なことがわかると、仕事の頼み方も変わっていきます。これができると職場でお互いに相乗効果を発揮できるようになって、1+1を3にできるようになるんです。
実はコーチングの影響はユーザーのその先の人にまで及ぶのですよね。
私が強みを認識していただくためにやっているのは、サッカーの解説者のようにユーザーの行動を観察して伝えることです。「これをやったからこれができたんですね」、「こういう理由があってこの行動をしていたんですね」などと、ユーザーの視点とはまた別の視点から解釈して伝えることもします。すると、ユーザーが自分自身の言動を意味付けできるようになるんです。
よく使うのは「教えてください」という言葉です。「教えてください」というフレーズには魔力があると思っていて、ユーザー本人にとっては当たり前だと思っていてわざわざ言語化していなかったことを言語化してくれるのです。そしてそれは大概、他者からすると当たり前のことではなく、ユーザー本人の強みだったりするのです。
人には必ず強みがあります。ユーザーの中に埋もれている強みを引き出したい、発掘したい。そんな思いがあります。発掘するとザクザク強みが出てくるんですよ。ユーザーと一緒に強みという宝の山を見つけ出す、そんな感覚でいます。
人の想いって、すごくエネルギー源になると思いませんか。
その「想い」をユーザー自身で膨らませるサポートをコーチとしてできたら良いなと思います。自家発電できるようになるイメージでしょうか。
私がエネルギーを注入していたのでは自家発電できませんから、ユーザーが持っている想いを半分くらい膨らませるサポートをしています。
例えば、「それをやるとどうなると思いますか?」、「そもそも、何故それをやりたいんでしたっけ?」、「へえ、どんなことをやりたいんですか?」などと聞いてユーザーの心の中にある想いを引き出していくと、喋っているうちにエネルギーが強まっていき、次第に自分自身でエネルギーを注入していくことができるようになっていきます。それができたときが、コーチとしての役目終了なのかもしれませんね。
自分の強みを道具として意図的に使えるようになり、そして自分の想いをエネルギー源として自家発電し続けられるようになる。これが私がコーチとしてユーザーに提供したい価値です。
岡本 智子
国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナル認定コーチ(PCC)、管理栄養士