ある程度経済的に発展した社会においては、GDPや収入などの客観的な数値の指標を追求するだけではなく、Well-being(心身の幸福)やエンゲージメント、働きがいといった主観的指標や心の充足を重視していこうとする流れが目立ち始めているようです。
現在、日本のGDPはアメリカ・中国に続いて世界第3位ですが、日本人はどれだけ満足した生活を送っているのでしょうか。国際連合が発表した「World Happiness Report 2019」では、日本人の幸福度は156か国中58位となっています。
順位 | GDP | 幸福度 |
1位 | アメリカ | フィンランド |
2位 | 中国 | デンマーク |
3位 | 日本 | ノルウェー |
GDPの高い国の幸福度が高くないのは日本が例外というわけではなく、アメリカも中国も同様です。また反対に、幸福度が高いからといってGDPが高いわけでもないようです。幸福度トップ3か国のGDPランキングはフィンランド44位、デンマーク38位、ノルウェー29位でした。
内閣府では、今後日本ではGDPだけでなく、国民の満足度も重視して政策運営に活かしていく方針を打ち出し、データ収集や改善に努め始めています。
内閣府が2018年に生活満足度について1万人を対象としたWEB 調査を実施した結果、興味深いデータが示されています。
- 45 歳~59 歳の満足度が最も低く、60 歳以降が最も高くなる
- 年収は 2000 万円~3000 万円の満足度が高く、それ以上は満足度が低下
- 健康状態がよいほど満足度が高い
- 頼りになる人の数やボランティア活動の頻度等(ソーシャル・キャピタル)が増加するほど満足度が高い
- 趣味や生きがいの有無で満足度の差が大きい
45歳~59歳といえば、部下を抱え部署をけん引している管理職層に多い年代です。リーダーの幸福度は部下やチーム全体にも影響があるのではないでしょうか。少なくとも、嫌々仕事をしているリーダーについていきたい人、リーダーのようになりたいと思う人はいないはずです。部下のロールモデルとしても、チーム全体の成果を出すためにも、リーダーには幸福度高く仕事をしてもらいたいものです。
内閣府のデータから頼りになる人や趣味、生きがいがあると満足度が高くなることがわかっていることから、40-50代の方がパーソナルコーチを付けて悩みを相談したり、自身の生きがいについて向き合い考えたりする時間をとることで、幸福度の向上が期待できるのではないかと思います。
【参考文献】
https://www.globalnote.jp/post-1409.html
https://s3.amazonaws.com/happiness-report/2019/WHR19.pdf
https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/report01.pdf