異業種の人と関わり、自分の世界を広げる 山根哲郎先生

自分が知っている世界の中でだけで物事を狭く考えていないか

−コミュニケーションやホスピタリティを大事にするという視点はどうやって身につけられたのでしょうか。
院長になりたての頃、自分なりに考えることがあって色々な本を読んでいました。その中の1つがホスピタリティの本でした。それでホスピタリティのセミナーに行ってみたら、外食産業の人たちとか、美容師さん、理容師さん、ホテルマンとか異業種の人ばかり。当時、ホスピタリティに興味を持っている病院関係者がいなかったわけではないけれども、わざわざセミナーに行くというほどの人はいなくて、周りからは変わっていると言われていました。でも、僕は異業種の人と話をするのが好きでね。病院というのは専門職と医療職の人ばかりです。その中で医師は、ともすると鎖国している国のお殿様みたいになってしまう。もっと広い世界を見ると、自分が知る世界の中だけで物事を考えていたこと、自分とは全く違う考え方があるということが分かってくる。そうやって新しい考え方と出会うためには、できるだけ外に出て色々な人とお付き合いをすることと、本を読むことだと思っています。

山根哲郎 Tetsuro Yamane

パナソニック健康保険組合 松下記念病院 院長 2004年より現職
京都府立医科大学 臨床教授(消化器外科学教室)2006年より現職
パナソニック健康保険組合 松下看護専門学校 学校長 2013年より現職
1949年生まれ。京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科外科系専攻入学(1982年3月修了)