コーチング入門からさらなる活用まで コーチング関連おすすめの本5選

3.相手のモチベーションを高める「承認」のバリエーションを増やしたい方に

『ほめる技術』 鈴木義幸著 日本実業出版社 2014/04

コーチングで質問と並んで重要なスキルの一つが「承認」です。承認はアクノレッジメントとも呼ばれ、相手をほめる行為と認める行為が含まれます。ほめる行為の承認例として、営業成績が上がったときに賞賛する(結果に対する承認)、以前はできなかったことができるようになったことを認める(成長に対する承認)などがあります。相手を認めることにより、相手は「自分は認められている」という自己肯定感を持つことができます。
認める行為の承認例として、「髪を切ったね」と声をかける(相手の存在そのものに対する承認)などがあります。自分は相手の存在に気づいているというサインを送ることで、相手は「ここにいて良いのだ」と安心感を持つことができます。
承認をするチャンスは日常の中に溢れています。しかし、中には「ほめる」のが苦手という方もいます。結果が出たときはほめることができるけれど、結果が出ないときに何と声をかけたらいいか分からない、評価ばかりしてしまう、ほめるのはなんだかはずかしい…。
そのような方におすすめなのが本書『ほめる技術』です。本書では承認の種類やその効果だけでなく、具体的な承認の仕方が多数紹介されています。部下を持つ方、マネジメントに携わっている方は読んでおきたい一冊です。

4.コーチングの歴史やアプローチについてもっと深く知りたい方へ

『コーチングのすべて』 ジョセフ・オコナー/アンドレア・ラゲス著 英治出版 2012/10

NLPコーチングやポジティブ心理学コーチング、インテグラル・コーチングなど現在コーチングには様々なモデルがあり、それぞれのモデルに関する書籍が出版されています。(コーチングモデルについてはこちら(#2へのリンク))本書『コーチングのすべて』は、各モデルの特徴や違いについて比較がなされている貴重な一冊です。それぞれのモデルがどのような背景でつくられたのか、同じクライアントに対する各モデルのアプローチの違いが具体的に示されています。コーチとしてもっとアプローチの幅を広げたい場合や、コーチを選ぶ際に活用することができます。
コーチングの成り立ちや時代背景と関連についても詳しく述べられており、米国でコーチングが叫ばれるようになった1970年代から多くのコーチング関連団体が創設された1990年代、そしてビジネス分野への活用が確立されていった2000年代以降のコーチングの歴史についても知ることができます。