あなたはどちら?アカウンタビリティとビクティム

5.ビクティムな人との関わり方

周囲の環境や本人の状態に依らず、ビクティムになることが癖になっている場合もあります。気になっていることがあっても相手に伝えない・やらない理由やできない理由ばかりを探すといった行動は、一見、人間関係に波風が立たず、失敗も少なくなるため、無意識に習慣化してしまいがちです。しかし自ら周囲への働きかけを絶ち、できる方法を探さないままでは、現状をより良くしていくことはできません。「上司に言われたから」、「前にやってもできなかった」など、ビクティムな場合に出てくる言葉は自分以外の人や物事、過去の出来事が主語になりがちです。

また、ビクティムの状態にある人は、「自分は(もっと認められていいはずなのに)認められていない」と感じています。そのような状態にある人に対して、責めたり指摘したりすることは逆効果になります。相手がビクティムな状態にある場合は、相手の話に耳を傾け、否定せずに受け止めます。その上で、相手が努力しているポイントや良い点を見つけて「承認 」することが重要です。その上で、「あなたにはどんな選択肢がありますか」、「これからできることは何ですか」と、その人自身を主語にした、未来に向けた質問を投げかけていくことによって、ビクティムな状態から抜け出していくことができます。これはチームや組織においても同様です。長い時間の中で培われてきた慣習を変えるのには時間がかかりますが、自分自身や周囲に未来に向けた問いを投げかけ、それをセルフトークにする習慣をつけていくことは組織全体のアカウンタビリティを高めていくことにつながります。

 

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