「ファウンデーション」を整えて、自分自身と上手に付き合う
-コーチとして一番大切にされている価値観は何ですか?また、コーチをつける価値とは何でしょうか。
私はあくまでもコーチとして相手の鏡となって、相手が私を通して客観的に自分を見ることができて、本当に大切にしている信念や価値観が見えるように関わりたいと思っています。絶対にやりたくないのは、私が誘導したり、私の価値観を押し付けたり、私の価値観を通して自分の人生を見させてしまうことです。そうすると歪むじゃないですか。だから私自身が自分を良く見せたり、私が驕り高ぶったりしない自分でいたいと思っています。それができると、相手が鏡をみて、自分自身に気づくように、目覚めるのではないかと思っています。
そのためにはコーチとしてファウンデーションを整え続けることが大切だと思い、一般社団法人コーチングプラットフォームを立ち上げました。結局大切なのは、自分との付き合い方をどうするかということなのですが、頭で考えていてもなかなかできないんですよね。でもファウンデーションを学んでいるメンバーが集まるとお互いにフィードバックをし合えるので、自分がぶれてるな、よれてるなとか、そういったことに気付きやすいんです。
ファウンデーションは見えにくいし、測りにくいんだけれども、実は一番大事なんです。ファウンデーションを整えることで、自分との付き合いが上手く出来るようになります。人って結局、自分のことを一番分かっていないんですよね。人間って「人の間」と書くじゃないですか。仕事でも家庭でもなんでも、人との関係性作りがその人の人生の根幹になってきますよね、一人では何もできないので、つまり人との間に起こることで喜んだり悲しんだり。間に起きることって相手の問題ではなくて、実は自分の問題で、自分との対話をうまくしていくことを身につければ、人との対話もうまくいく、だからスタートは自分なんですよね。自分との付き合いをうまくすることが出来れば、人との付き合いは自分でコントロールすることができるようになります。それができないと、相手にぶらされるんですよね。
自分との付き合いって、わかっているようでわかっていないもので、コーチに「何で嫌だったんですか?」と聞かれて初めて、「改めて聞かれたら何でだっけ?何でって言われても・・・普通、嫌じゃないですか?私は嫌なんですけど(笑)」といったところから始まり、「あ、そうか」と。例えば、本当は優秀に見られたいという欲求があるけれど、そんな欲求は出しちゃいけないと抑えている。でもその欲求に触れるような出来事があると反応してしまう、そしてそのことにすら気付いていなかった。そんなことが起きやすかったりするんですよね。