『1on1ミーティング』は、上司と部下が1対1で対話することで、部下の心情や業務上での目標・課題を引き出す手法です。隔週~月1回ほどの頻度で15~30分程度、定期的に行うことが理想とされます。
1on1ミーティングを導入する企業が増えている一方で、実施する側からは「1on1ミーティングの進め方の具体的なイメージが湧かない」「部下が自己開示してくれない」「1on1ミーティングに意味があるのか」などのお悩み・疑問の声もよくお聞きします。
業務に追われている中でお互い時間を割いたにも関わらず、あまり有意義な時間にならなかった、効果が実感できなかった…というお声も少なくありません。その結果、実施する意義を見出せず続かないというケースも多々あります。
15~30分という限られた時間の中で、「部下が安心して本音を語れる有意義な1on1ミーティング」にするにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、上司が「質問力」を発揮し、部下の気持ちを引き出すことです。
多くの部下は上司と1対1で対話をする状況に身構えています。以下のようなプレッシャーがかかっている状況では、部下が安心して本音を語ることができません。
NG例
・「なぜ?」を繰り返して質問攻めにする(詰問)
・「~じゃない?」「~だよね?」のように誘導質問をする
・部下が質問に答えているのを遮って自分ばかり話す
こうした威圧的な質問や一方的な態度を続けていると、部下が委縮してしまい率直な話が出にくくなります。
まずは話しやすい空気づくりを心がけましょう。以下に、具体的なポイントをご紹介します。
Step1:部下の緊張をほぐす質問
まずは雑談などで場を和ませ、部下との信頼関係を構築しましょう。
質問例: ・週末に何かリフレッシュすることはできましたか? ・お昼は何を食べますか?/食べましたか? ・今日は何か楽しみにしていることはありますか? ・最近梅雨入りしましたね、雨の日はどう過ごすことが多いですか? ・このニュースが気になっているのですが、〇〇さんはどう思いますか? |
軽い話題を投げかけることで、部下の緊張が解け、話しやすい雰囲気になります。
もちろん、部下があまり話したくなさそうなテーマには無理に踏み込まないようにしましょう。
Step2:現状を聞いてみる
緊張が和らいだら、業務に関する話題に徐々にシフトしていきましょう。部下を労うことを忘れずに、業務上での不安や困りごとがないかを聞いてみましょう。
質問例:
・最近の業務量やスピード感は○○さんにとってどうですか? |
業務の現状を聞くことで、部下の抱えている課題や感じているやりがいをより具体的に知ることができます。上司として部下の状況を理解し、必要なサポートの方向性を見つけるためにも重要なステップです。
Step3:オープンクエスチョンで話を広げる
現状を話してくれたら、部下がさらに自由に考えや気持ちを語れるようなオープンクエスチョンを意識してみましょう。
質問例: ・今、仕事をするうえで○○さんが一番大切にしていることは何ですか? ・どんな時にモチベーションが上がりますか? ・最近、新しく気づいたことや学びは何かありますか? ・〇〇さんが自信をもっている仕事はありますか? ・目標を達成するためにどのようなことに取り組んでいますか? |
部下が自由に話せる環境をつくることで、より具体的な課題や目標が見えてきます。答えを急かさず、相手のペースに合わせて話を聞くことがポイントです。
Step4:フィードバックと質問で明確化する
部下が話をしてくれたら、共感の姿勢を見せることが大切です。「なるほど」「それは大変だったね」といった言葉をかけることで、部下は「自分の話をちゃんと聞いてくれている」と感じます。
加えて、部下の発言を繰り返し、要約することで整理してみましょう。
質問例:
・それについて、どんなサポートがあると役立ちそうですか? |
こうした質問を挟むことで、対話が一方通行にならず、部下がさらに深く思考するきっかけになるでしょう。
有意義な1on1にするために
1on1ミーティングでは、部下の話に対して適切に問いかける「質問力」が重要です。
部下の本音を引き出す手助けをしながら、部下にとっての課題・目標を言語化することが1on1ミーティングの成功に繋がります。
「質問力」を身に着けるためのツールとして『1on1クエスト』をご紹介します。
・AI部下とチャットを通して1on1をシミュレーション
・1on1ミーティングに役立つ具体的なアドバイスを即座に提供
・AI部下の性格やバックグラウンドを自由に設定可能
AI部下とのチャット中にリアルタイムで「質問力」への添削・提案を受けることができます。気軽に実践練習の場としてご活用いただけます。
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