誰でも社長を目指せる会社へ


今回は、市川建設株式会社 代表取締役社長の市川 雅樹様に、社長として大切にされていることや、オンライン・コーチングmyPeconを導入いただいた理由、今後目指す姿についてお話しいただきました。

就任して痛感した、専務と社長の圧倒的な差

市川建設は、祖父が創業して私が3代目になります。社長を継いだのは14年前、31歳の時でした。これまでも専務取締役として経営に携わっていたつもりでいましたが、私の何気ない発言が会社としての発言・見解になってしまうことや、会社として大きな損害が出た場合や社員が怪我をしてしまった時、売上が上がらなかった時など、最終的な責任をすべて負うことの重みを体感しました。

 

社員・その家族の生活を背負っている責任感、社外との付き合い・交渉事など、社長と専務の圧倒的な差とプレッシャーを感じました。

 

社長は本来すべきことのために時間を空けるべき

今決めていることは、「自分がやらない」で、誰かに仕事を振ることを徹底しています。社長というのは、組織の改善点や今後の展望を考えたり誰かと会う時間を確保したりなど、本来すべきことのために時間を空けておくべきだと考えています。

 

誰かに仕事を任せて失敗したらどうしようとか、この仕事は譲れないとか思っていた時期もありましたが、お願いすると意外と簡単にやってもらえるんですよね。自分と同じ精度を求める必要はないのだと思います。周りからは、「仕事を振りすぎだ」と言われるのですが(笑)、社長まで一緒になって作業していたら会社としての成長は止まってしまいますからね。

 

社長に就任した年から色々と問題もありましたが、一方で心さえ折れなければなんとかなるなとも思いました。日々反省もしますし落ち込むこともありますが、引っ張ってばかりもいられないですから。諦めたら終わりですよね。

一族経営の脱却と、挑戦し続ける会社に向けて

今後は、全国展開していきたいと考えています。新潟の会社ですが、地方発の企業でも全国で勝負できるのだということを示したいし、世界は広いですが、日本もまだ広いことを社員に知ってほしいなと思っています。

 

実は、社長に就任した当初は全国展開など全く考えていなかったんですよ。社員に「うちは地元で踏ん張っていこう!」などと言って、社員も地元を離れたくない人が多かったので、「そうですね!」なんて一致団結したりしていました(笑)。

 

実際、社内の基盤がしっかり整っていないと規模を拡大しても失敗するとも思っていたのもあります。会社の立て直しに10年かけて、育成など地固めを行ってきました。

 

ただ、今思うとその時はチャレンジすることを怖がっていたのかもしれないですね。

 

昔、会社が倒産する寸前までいったという話を子どもの頃から聞かされて育ったので、下手に設備投資なんかして失敗することはできない――、そのように考えていました。

 

それが、色々な方と知り合うようになって、カルチャーショックを受けたのです。30代半ばの時でした。このままではまずいなと思うようになりました。他社とうちでは規模感が違うなと。うかうかしているとあっという間に時間は過ぎてしまうので、「今しかない」と思いました。

 

全国展開に向けてチャレンジするスピードを加速させるために、まずは私自身の変革、そして幹部の育成が急務であると考えコーチングを導入しました。

 

前からコーチングは知っていて、興味を持っていたんです。コーチを受けたことはなかったですが本は数冊読んでいて、「社員に接するときはこういう手法がいいな」と思っていました。ある時、知り合いがコーチングを受け始めたという話を聞いて、自身のチャレンジを実現させていくためにコーチを探しました。

 

まずは私からコーチを付け始めたのですが、本当に良かったです。自分では気づかないところを掘り下げてくれますし、「本当にそれをしたかったのか?」、「逆にこれはしなくていいのか?」など問われるうちに、コーチは建設業界の専門家ではないけれど、自分が仕事において大切にしていることなどが明確になっていくんですよね。

 

コーチを付けて目標が明確になったし、タイムリミットも設けるので進捗も良くなりました。それで、私自身もコーチングを継続しながら、幹部や幹部候補者にもこういった成長機会を作りたいなと思い、組織的にコーチングを導入しました。

 

これまで一族経営でやってきましたが、実は私は一族ではない人が会社を担ってくれればいいなと思っているんです。一族でなくても会社の経営ができることを知ってほしいし、やる気さえあれば社長でも何でもできるという希望を社員に持ってほしい。

 

新潟では一族経営の会社が目立ちますが、会社の後継ぎが見つからず、吸収合併されていくケースも多いのです。サラリーマンだから上にいけないと諦めてしまうのではなく、どんどんチャレンジしてほしい。一族経営に拘るがあまり経営に向いていない人間を社長に据えたら、社員も困るし取引先にも迷惑がかかるし、何より本人が辛いですよね。誰も得をしない構造になってしまいます。

 

それならば、やる気があって能力ある人に社長をやってもらった方がいいのではないでしょうか。社長に必要な要素は沢山あると思いますが、私は精神的に強いこと、「折れない心」が何より重要だと考えています。曲がってもいいですが、折れたら終わり。戻りません。幹部や幹部候補者には、コーチのサポートも得ながら、この「折れない心」を養って立派な経営者になってもらいたいですね。

 

そして、やる気と能力のある人に経営を担ってもらうことで、「挑戦している会社」、「この辺(新潟)では珍しい会社」として認知され、他社から目指される会社になれたら理想ですね。

 

性別も国籍も関係なく誰でもチャレンジができる会社、そして建設業という軸はぶらさずに、新しいこと・他社がやっていないことに取り組む会社でありたいです。建設業という保守的なイメージも打破したいですね。

 

会社としてチャレンジし続けていきたいのはもちろんですが、何よりこれは私自身の挑戦でもあります。これからも、全速力で歩みを進めていくつもりです。

 

 

市川 雅樹
市川建設株式会社 代表取締役社長

1976年新潟生まれ。建設ゼネコンである㈱安藤ハザマ(旧㈱ハザマ)に入社し、建設現場での施工管理に従事。その後、家業である市川建設㈱へ入社、2007年31歳で社長に就任。2020年神奈川県相模原市に営業所を出店し、同じく横浜市に新会社㈱リライズを設立。新潟だけでなく、全国展開を視野に活動している関連会社に市川工業㈱、(有)安田商会、㈱リライズがある。