期待された力を発揮できないのはなぜ?海外赴任時のストレスとパフォーマンス

2.ストレスが多いと病気になる可能性が高くなる

ストレス点数の合計点は健康障害の発生率と関係します。1年間で起こった環境の変化やライフイベントによるストレス点数の合計点が150点以上になった場合、翌年、心身に健康障害が起こる確率は50%、合計点が300点以上となった場合は心身の病気になる可能性が80%だと言われています。業務内容や住まいが変わるだけでなく、食生活や休日の過ごし方、プライベートの人間関係も一気に変化する海外赴任時は、コップの水が今にもこぼれそうな高いストレス状態となります。さらに新規事業の立ち上げや現地の人との人間関係構築など難易度の高い課題が加わると、一気にストレス過多の状態になってしまいます。

3.気温や日照時間の変化も体への負担に

海外では気温や湿度、日照時間が日本と大きく異なる場合があります。例えばスモールビジネスの立ち上げやすさから日本企業の進出が増えているオランダは、日照時間が年間を通じて大きく変化します。夏は21時すぎまで明るく過ごしやすい一方で真冬は16時半には日が落ちてしまいます。夏と冬との間で日照時間の差は9時間(日本の夏と冬の日照時間の差は5時間)にもなります。日が落ちるのが急激に早くなる10月から11月にかけては現地で長く暮らしている人でさえ気分が落ち込む人も多いといいます。
気候や食生活の変化による身体的な負荷が加わることで、日本ではハイパフォーマンスを発揮していた人も本来の力が発揮できず、赴任から1年ほど経ったところで体調を崩してしまうということも少なくありません。

4.コミュニケーションコストも増加

海外では母国語以外の言語でのコミュニケーションが求められます。文化や慣習・コミュニケーションスタイルも異なるため、信頼関係が十分に構築できないことなどが原因で意思疎通や合意形成のコミュニケーションコストが増加します。

また、日本とも物理的な距離がありお互いの様子がわかりづらいことから、「なぜ予定通りに進まないんだ」、「こちらの状況を全く理解してくれない」など、すれ違いが生まれることもあります。赴任先や日本とのコミュニケーションコストが増えることで業務の進捗スピードは低下します。しかしコミュニケーションに大きな時間とエネルギーがかかっていることが本人にも周囲にも認識されづらく、知らぬ間にストレスとなる場合もあります。

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