2.五月病はなぜ起こるのか
うつ病や適応障害はストレスが原因で引き起こされますが、特に五月病は新年度・新学期に起こる以下の3つの変化が大きな要因となって起こります。
1)環境の変化
2)気候の変化
3)生活リズムの変化
1)環境の変化
環境の変化はストレス(負荷)として心身に影響を与えます。負荷がかかること自体は必ずしも悪いことではありません。適度な負荷がかかっているとき、私たちは高いパフォーマンスを発揮することができることができます。一方で、負荷が少なすぎると生産性が下がる場合もあります。また、過度のストレス状態でもイライラや不安がたまり、自律神経失調症や十二指腸潰瘍といった身体の不調が引き起こされることがあります。
新年度はストレスの要因となる出来事が起こりやすい時期です。昇進・昇格や仕事に打ち込むことなど自分自身にとってプラスの変化もストレスの要因になることに加え、同僚の昇進や家族の生活の変化もストレスの要因となります。これらが重なることにより、過度のストレス状態になり、心身の不調が起こるようになります。
新年度に起こりやすいストレス要因となる出来事
自分自身の変化 | 同僚や家族の変化 |
---|---|
・自分の昇進・昇格 | ・同僚の昇進・昇格 |
・仕事のペース・活動の増減・仕事に打ち込む | ・職場関係者に仕事の予算がつく |
・転職・単身赴任 | ・パートナーが仕事を始める/辞める |
・人事異動・配置転換 | ・子どもが新しい学校へ変わる |
・収入の増加・減少 | ・団らんする家族メンバーの変化 |
・引越し・住宅環境の大きな変化 | ・家族の行動の変化 |
・習慣の変化・食生活の変化 | ・子どもが家を離れる |