一人でも部下がいる人は実践したい「承認」のスキルとは?

2.承認の効果

承認はなぜコーチングやマネジメントに活用されるのでしょうか。もう少し詳しくご紹介します。承認には2つの効果があります。

1) 安心感を与える
2) モチベーションを上げ、行動を加速する

1) 安心感を与える
私たちは、「認められている」と実感すると、安心感を得ることができます。特に存在承認には「ここにいていいんだ」という、居場所や関係性に対する安心感を与える効果があります。例えば新入社員が出社初日に誰からも挨拶をされず目を合わせてもらえなかったら、どのように感じるでしょうか。たとえいくら「期待している」と上司や先輩に言葉で言われても、自分の存在が認められているという安心感を感じられなければ、居場所がなくなり早期に離職してしまう可能性があります。

2) モチベーションを上げ、行動を加速する
金銭的なインセンティブでは、一時的なモチベーションにしかならないことがあります。「あなたの取り組みがチームにも刺激になっている」と周囲への影響を伝えることや、お客様からの感謝の声を伝えることで、長期的な行動の促進につながる可能性があります。
目標に向かって行動をしていても、すぐに成果が出るとは限りません。課題の難易度が高ければ高いほど、その途中で困難にぶつかることも多くあります。表には見えない変化でも上司や先輩から自分の成長やお客様からの言葉などを伝えられることで、自分の行動に自信を持ち、モチベーションを保つことができます。また、その積み重ねが上司・部下の信頼関係を深めることにもつながっていきます。