管理職による1on1に意味はあるのか

そんなある日、Aさんの同僚からBさんがAさんの1on1を面倒で意味がないと言っていることを聞いた。

Aさんに相談を受けた私は、「Aさんにとって必要だと思っていることは、Bさんがしたいことですか?それを確認しましたか?」と聞くと、Aさんはハッとしたような顔をして、「どこかで自分の正解を相手に押し付けていた部分があったのかもしれません。残業をなくして短時間で正解にたどり着くためには、こちらから答えを教えていく必要があると思い焦っていたこともあるかもしれません。でも、何を聞いてもBさんは自分にやりたいことはないというので、将来的なビジョンなどを一緒に考えて引っ張り出してあげる必要があるのではないかと思っていました。」

そんなAさんの様子を見て、私はこのように提案した。

「Bさんが仕事に何を求めているのかから確認してみてはいかがでしょう。将来的な安定や成功が全員にとって今必要なことではないですし、現在は様々なキャリアや仕事観がある中で、全員が将来のイメージを持っているわけでもないですよね。

まずはBさんの求めていること、Bさんにとっての正解に寄り添って歩いて行くことがBさんにとって今必要なことではないかと思います。」

Aさんは納得したような顔で帰って行った。