一人でも部下がいる人は実践したい「承認」のスキルとは?

コーチングでは、クライアントが自発的に目標を達成するための支援をクライアントとコーチによる双方向のコミュニケーションを通じて行っていきます。その際コーチは、質問、傾聴、フィードバックなど、様々なスキルを活用します。今回は部下のモチベーションを上げたり、相手の行動変容を加速させる「承認」のスキルをご紹介します。

1.承認とは?

承認とは、相手をほめる行為と認める行為のことを指し、アクノレッジメントとも呼ばれます。承認には4つの種類があります。

1) 存在承認
2) 行動承認
3) 成長承認
4) 成果承認

1) 存在承認
相手の存在そのものに気づいているということを認める行為です。挨拶をする、「髪を切ったね」などと相手の変化に気づいて声をかけることが存在承認に該当します。存在承認は、まだ成果を出せていない新人や仕事で行き詰まっている部下に対して使うことで、相手に「私はここにいてもいいのだ」という安心感を与えることができます。

2) 行動承認
具体的な行動を認める行為です。「いつも朝早く来ているね」、「顧客とマメに連絡を取っていますね」、「宣言通りに行動していますね」というように、行動をそのまま伝えることでも行動を見ている、認めているというメッセージとして伝わります。相手の行動を継続させたいときに使うと有効です。

3) 成果承認
行ったことの結果や成果について認める行為です。所謂「褒める」行為が成果承認です。「よくやった」と言葉で伝えることだけでなく、表彰・昇給・昇進なども成果承認となります。

4) 成長承認
成長を認める行為です。「以前より提案書が分かりやすくなっている」、「お客様の視点での話が増えていますね」、「短い時間でできるようになっていますね」というように、まだ成果としては形になっていないことでも、その過程の成長を認めることで相手のモチベーションを向上させます。