自分のコンフォートゾーンから抜け出す


今回は、オンライン・コーチングmyPeconのユーザーでイギリスへMBA留学中(インタビュー当時)の福島宏樹さんに、コーチをつけたきっかけや活用法についてインタビューさせていただきました。

 

―myPeconでコーチをつけたきっかけを教えて下さい。
私は長年日系の大企業に勤めておりましたが、昨今の変化が目まぐるしい時代において、自分の会社だけは絶対に倒産しないという思い込みや、現状維持をよしとする会社の姿勢に、一社員として危機感を抱いていました。「新しい事に挑戦しよう」という上層部の掛け声とは裏腹に、変化を嫌う風土が色濃く存在しており、多様性も欠落していました。ニッチな市場を独占していた為、他社と比較して競争優位を築けているという自負が経営層にはあったと思います。しかし私個人としては、典型的な大企業病に陥っている様に思え、まさに「イノベーションのジレンマ」の真っただ中にいる様に見えました。

 

これまで築き上げてきた既存事業だけでは時代の波に取り残され、生き残ることができない。コンフォートゾーンを脱して新しい戦場でチャレンジできなければ、自分の未来も会社の未来もないのではないか。そういった強い危機感から、組織変革の必要性を上司に提言していたものの、想いは届かずなかなか取り合ってもらえませんでした。私自身のコミュニケーション力が不足している問題もあったとは思いますが、とてもやるせない気持ちでした。

 

そうした出来事から、まずは私がコンフォートゾーンから離れることで価値観をぶち壊し、違うモノの見方ができるように自己変革をしたいと思いました。自己変革するためには、意図的に原体験を作りにいく必要があると考え、自分をタフな環境に置く事にしました。当時、長年勤めていた会社を辞め、知らない世界を見ようとイギリスに留学したのもその一環です。

 

また、コーチングは「己を知り、思考や発想の転換を促す」手段である事を知り、自分にぴったりだと思いました。私は将来的には、自分の訴えが会社に届かなかった原体験をバネに、企業の組織変革の仕事に就きたいと考えています。それに向けて、社員の意識改革ツールとしてコーチングを行えるようになりたく、まずは自分がコーチングを受けてみようと思い立ったのが、コーチを付けた経緯です。また、コーチングとは、自分がどういう特性、価値観を持っているのかを可視化していく自己内省化のプロセスであると認識しており、それをこの留学期間中に体験し確かめてみたいとも思っていました。

 

コーチング会社に関する情報を持っていなかったので、ネット検索でヒットしたサービスの中からコーチのバックグラウンドなどをチェックして、自分のニーズに合いそうなmyPeconを選びました。体験セッションに申し込む際に「組織変革について話したい」とリクエストしたところ、組織変革に詳しいコーチを提案してくれたので、マッチングも考えてくれていると思いました。

 

―実際にコーチングを受けられて、感想はいかがですか?
まず、一番良かったのはコーチの姿勢です。以前読んだ本によると、「コーチとクライアントの関係の良否がコーチングの効果を左右する」といった内容がありましたが、正論過ぎてイマイチピンと来ませんでした。実際コーチングを受けてみて、まずユーザーである私が最善の状態でいられるようにその場の空気感を作ってくれて、全力で寄り添い向き合ってくれることに感銘を受けました。こういった姿勢は「何を言っても笑われない、拒絶されない、罰せられない」心理的安全とも非常に近いものがあると感じ、今後の組織変革に携わりたいと考えている自分にとっては有益な体験をとなりました。例えば、会議前等におけるメンバー間の空気づくりと言った環境整備は、これまであまり試みた事がなかったので、今後の取り組みの参考に出来ると思いました。

 

コーチングとは「己を知り、思考や発想の転換を促す」手段と上記で述べましたが、コーチングを受ける事で、自分自身を知るというスキル(自己分析のスキル)が格段に高まったと思います。「自分は、何故あの時、ああいう行動をとったのか」などの自分の意識決定の裏に潜んでいる理由を、コーチが毎回深堀りしてくれる為、自然と自己内省する癖がつきました。更に自分自身が毎回納得いく形で解を導き出す事ができる様になり、実はこれが一番大きな収穫であったかもしれません。例えば、自分は「課題解決」よりも「課題発見」の方が好きで得意という自負があったのですが、何故そうなのかずっと気になっていました。こうした疑問に対しても、自分の経験やキャリアと結び付ける事で、「課題発見」の方が好きで得意である明確な理由が判明しました。自分自身の決断の裏には、明かされていない理由が相当数存在している事に気付かされました。

 

―ご自身なりのmyPeconの使い方、コーチの使い方を教えてください。
myPeconでは、セッションの合間にコーチとチャットベースのやり取りができます。その中でコーチからナレッジを得られるのが、セッションと同等に有益です。専門家に質問をしてすぐに回答を得られる、スポットコンサルのような感覚もあります。その場で今すぐ問いたい・相談したい需要ってありますよね。ネットで検索しても得たい情報が出てこない場合は、専門家に直接聞いた方が速いと思います。本を読むことも重要ですが、専門家とディスカッションした方が効率的だし、有益だと実感しました。

 

また、各セッションは柔軟性を持って臨む事が出来る為、ケースによっては、コーチとクライアントの立場を逆転させ、自分自身がコーチの役割を演じる事で、新たな気づきが生まれることもあります。例えば、私がコーチの立場に立った際、つい相手の課題に対して、「これは●●だと思う」といった自分の考えを伝えたくなります。しかし、これではコーチングの本来の目的である「相手に考えさせる」と言った趣旨から脱線してしまい、価値観の押し付けになりかねません。また、ただ質問をして話を聞けばよいわけでもなく、メンターの経験や専門性をもとに「指導」したり、コンサルティングの様に「解決策を提示」するのも時と場合によっては必要である事、それらとコーチングのバランスを取る難しさを経験できた事も大変有意義であったと思います。

 

―最後に一言、コーチを付けようか検討中の方にメッセージをお願いします。
コーチングは本を読んだだけでは理解しにくいところがあります。コーチングとは何かを理解したい方はまずコーチングを受けてみることをお勧めします。そもそもコーチングは、誰もが持つべきスキルや考えだと思っています。どんなに優秀な人でも、ずっと同じ環境に身を置き続けていると、思考は凝り固まってしまいます。将来的には日本人全員にコーチが付く様な世界が来たらいいなと思っています。

 

日本人には責任感が強い人が多く、問題があっても自分一人で解決しようと抱え込んでしまうケースが多々あると思いますが、周囲に相談することで意外と簡単に解決できてしまうケースも、実は多いのではないかと考えています。相談しないと人は失敗する、というのは真理であり、隣に伴走者がいる事の価値や重要性が改めて見直されるべきだと考えていますコロナショックも相まって、日本型組織が「ハイコンテクストからローコンテクストなコミュニケーションへ*」、「ヒエラルキーからフラットな組織形態へ」の変化を迫られる中、コーチングが浸透しやすい環境も徐々に整ってきています。己を知るためのコーチング、もしくは目標達成するためのコーチングなど、利用目的は様々ですが、時代に乗り遅れない為にも、トライしてみるのをおススメします!

 

コーチを体験してみる

*ハイコンテクスト:言葉そのものより、文脈や背景、言外の意味を重視する姿勢
ローコンテクスト:言葉の意味を重視する姿勢