myPeconコーチインタビュー Vol.004 佐藤草コーチ


コーチングセッションは、他者とのコミュニケーションを凝縮した場だと思っています。
普段のコミュニケーションでは、率直に伝えられかったり、どう伝えていいのかわからなかったり、伝える方法がなかったりすることも多いですよね。

 

私がコーチとして一番大切にしているのは、コーチである私自身が自分に対して正直であることです。ユーザーが一生懸命話されていても、言っていることがわからないと思ったら率直に聞きますし、伝わらないと正直にお伝えしています。
「私にはあなたがこういう顔に見えています」、と似顔絵を描いてお見せする感じに似ていると思います。その似顔絵が厳しく描かれていた場合でも、「自分はこう見えているのか」と素直に受け止められ、ホッとされる方が意外と多いです。

正直に伝えられる、言われたことを素直に受け止められる関係性を築くには、ユーザーとコーチの信頼関係も非常に重要ですよね。
信頼関係が十分にできていて、「コーチは思ったことを正直に伝えてくれる」という安心感があれば、「コーチは実際のところどう思っているんだろう」などと考えることなく、ご自身が話したいことに集中いただくことができます。

 

ユーザーの「似顔絵」をなるべく正確に書くためには、言語化されていない「心の声」にまで耳を傾ける必要があります。
心の声が聞こえると、自分の課題が構造化されて見え、ぼんやりしていた課題が分解されていきます。課題が分解されて掘り下げられていくと、なぜその課題が生じたのかもわかるようになるんです。課題から派生している自身の潜在的な感情や本心にも気づきますし、課題が形成されたプロセスや自分のルーツも理解できるようになります。

 

また、ずっと抱えていた課題がどうでもよいことに思えたりもして、課題自体が解消されていくこともあります。実際に、自分が抱えていた問題は、自分の解釈によって生み出されていた思い込みの場合も多いです。

 

「XXさんは私のことを嫌っているし、いつも怒っているからなるべく話しかけないようにしよう」と思い、その相手に余計なエネルギーを使ってストレスを感じてしまうことはよくあります。しかし実際は、本人はユーザーのことを嫌っているわけでも怒っているわけでもなく、ユーザーがそう思い込んでいる場合もあるのです。
私たちは3回見聞きしたものを「毎回そうだ」と思い込む習性があるそうです。
このように「事実」と「思い込み」を切り分けて考えられるようになると、特定の他者に反応してイライラしたり、無駄に気を揉んだりすることもなくなっていきます。「気持ちが楽になった」と仰る方も多いです。

自分の心の声に耳を傾けて、自分自身を味わい尽くして深く理解できるようになると、自己受容ができるようにもなります。自己受容できると、他者のことも受容できるようになるんですよね。それができると、人間関係の問題が生じることもだんだん少なくなってきます。
AIには感情はありませんよね。生身の人間同士で向き合うことが、コーチの存在価値の一つだと思います。

 

佐藤 草
(一財)生涯学習開発財団認定マスターコーチ

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